キャタピラージャパンが新型油圧ショベルを開発、従来機比で燃料消費量を最大10%削減:製品動向
キャタピラージャパンは、従来機「349」と比べて、燃料消費量を最大10%削減し、メンテナンスコストを最大35%減らした油圧ショベル「Cat 345 GC」を開発した。
キャタピラージャパンは、オフロード法(特定特殊自動車排出ガス規制法)の2014年基準に適合した油圧ショベル「Cat 345 GC」を2021年4月16日に発売した。
旧モデル「349F」と比較し燃料消費量を最大35%削減
Cat 345 GCは、大型油圧ショベルが稼働する現場の中でも積み込み作業や油圧ブレーカーを用いた業務を行える建機で、エンジン回転数と油圧ポンプの最適な組み合わせにより、旧モデル「349F」と比較し燃料消費量を最大35%減らしている。さらに、従来機「349」と比べて燃料消費量を最大10%削減。
運転のモードはパワーモードとスマートモードの2種類を備えている。パワーモードは常時最大の油圧馬力を発揮し掘削や積み込み作業などに適しており、スマートモードは作業負荷を判断するため、軽い負荷の業務を最適な燃料効率で実現し、コストカットを後押しする。
また、ICTの「プロダクトリンク」や「VisionLink(ビジョンリンク)」を搭載している。プロダクトリンクとVisionLinkは、車両の位置や状態をリアルタイムに把握し適切な機械管理をサポートするもので、燃料消費量やアイドリング時間の分析により費用の低減を支援する。
加えて、ブレーカーや車体へのダメージが著しい長時間打撃を自動で制御する「オートハンマーストップ機能」を実装している。オートハンマーストップ機能は、オン/オフをキャブ内のモニターで入力でき、オンにし車体がブレーカーなどの作業で過度な衝撃を受けた場合、15秒でモニター上部に警告メッセージが表示され、30秒経過すると自動で停止する。
メンテナンス性に関しては、点検の延長や容易化により、メンテナンスコストを従来機の349と比較して最大35%低減している(1万2000時間稼働時)。燃料フィルターの交換間隔は、従来の500時間から1000時間に改良しており、作業油リターンフィルターは2000時間から3000時間に改善し、メンテナンスにかかるコストと手間を軽減。
安全性について、車両後方と右側方をサポートするカメラを標準装備し、油圧ショベル周辺の人や物をキャブ内のモニターで見渡せる他、標準搭載した「標転倒時運転者保護構造(Rollover Protective Structure、ROPS)」はISOの規格に適合している。Cat 345 GC油圧ショベルの価格は4824万7000円(販売標準仕様、工場裸渡し、税抜き)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 日立建機、オペレーターの技術を問わないICT油圧ショベル
日立建機が、マシンコントロール機能を搭載したICT油圧ショベル「ZX135USX-6」を「建設・測量生産性向上展2019」で実機展示。高い作業性を支援するシステムや機能をアピールした。 - 油圧ショベルを災害時にだけ“遠隔化”、CATが提案する「普段使いの防災建機」実機デモも
キャタピラージャパンは、油圧ショベルを遠隔操作するためのリモートコントロールキットを2019年内に発売する。この建機遠隔システムは、国内の現場で相当数が稼働している同社の主力機「320/323」に“後付け”ができるのが特長だ。災害現場や危険を伴う工事での安全な施工に活躍が期待される。 - CATの45/50トン次世代油圧ショベル、フィルター長寿命化やメンテコスト15%減
- トプコン、油圧ショベルを自動化するマシンコントロールシステム
トプコンの油圧ショベル用ICT建機システム「X-53x」のラインアップに、新たなマシンコントロールシステム「X-53x Auto」が加わった。各建機メーカーの油圧ショベルに後付けして自動化できることから、現場作業の合理化、i-Constructionの普及推進が期待できる。 - アクティオと助太刀が協業、建機と工具のレンタル注文がアプリで完結
建設現場と職人をマッチングするアプリ「助太刀」は2020年3月、事業者の登録数が13万人を超え、業界でのシェア率が71%に達した。2020年6月9日には、運営会社の助太刀とアクティオが協業し、助太刀アプリに建機と工具のレンタルサービスが追加されることとなった。