キャタピラージャパンは2019年7月16日、次世代油圧ショベル「Cat 349/352」を発売する。
燃費も保証、45/50トンクラスの油圧ショベル2機種
Cat 349/352は、キャタピラージャパンが土木工事や砕石現場などさまざまな現場で、新たなスタンダードになると位置付ける45/50トンクラスのマシン。最新のIoT「CatConnectテクノロジー」を搭載し、燃料効率の向上やメンテナンスコストの低減が図られている。また、キャタピラーの基準を超えて燃料が消費された場合には保証が受けられる「燃費保証キャンペーン」の対象機種にもなっている。
主な機能としては、EH(Electro-Hydraulic)油圧コントロールシステムや新しいエンジン制御モードを採用し、従来機比で燃料効率を最大10%アップ。エンジンモードは「エコモード」、燃料消費量の低減と作業量を両立させた「スマートモード」、「パワーモード」の3モードを用意しており、モード切り替えはキャブ内のスイッチで行う。
砕石や鉱山での原石積込みや大型土工工事で要求される高い耐久性に応えるため、足回りは強化型トラックリンクを標準装備し、標準タイプ比で約10倍の疲労強度を有する改良型のヘビーデューティーアイドラも備える。ブーム/アームには焼鈍(やきなまし)を行い、ブーム内部にはバッフルプレートを追加して耐久性を高めている。
CatConnectテクノロジーの代表的な機能としては、ペイロード計測システム「Cat Production Measurement(CPM)」がある。ブーム・アームを停止させることなく、作業をしたまま旋回中に計測して、積荷の重さを測ることができる。また、作業範囲の制限機能「E−フェンス」は、設定した角度に近づくと旋回の動きを自動停止して、旋回による接触や衝突のリスクを抑える。
他にも、停止前の減速で荷こぼれを防止する「旋回アシスト」、車両の位置や状態をリアルタイムに把握する「プロダクトリンク」や「ビジョンリンク」などの機能も有している。
安全性では、車両後方と右側方をサポートするカメラを標準装備。オプションの360度ビューシステムにアップグレードすれば、油圧ショベル全周の良好な視界を確保して、障害物や作業者を1つの画面で確認可能だ。
さらにメンテナンス面では、メンテナンスコストを従来機比で最大15%低減させた。パーツの長寿命化も、燃料フィルターの交換間隔を従来の500時間から1000時間に、作業油リターンフィルターは2000時間から3000時間にそれぞれ延長させている。
標準販売価格は、45トンクラスのCat 349 油圧ショベルが5820万5900円、50トンクラスのCat 352 油圧ショベルが6175万6900円(販売標準仕様、工場裸渡し、税別)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 大成建設×キャタピラー、油圧ショベルの自動化施工を実証
大成建設は、キャタピラージャパン製の次世代油圧ショベル「Cat 320」に、独自開発した「自律割岩システム」を実装し、実証実験で割岩の自動化と、有人ダンプトラックとの連携による掘削/積み込みの土工作業を成功させた。 - 建機自動化の現在地とその先に――【前編】:CATの自在な拡張性を持つ次世代スマートショベル
キャタピラーと大成建設は、割岩や土砂の掘削・積み込みを自動化する技術開発を進めている。先立つことキャタピラーでは、Next Generation Hexと位置付ける次世代IoTショベルを2017年に発売。同機種の市場投入を機に、これまでの開発方針を転換させて、断続的な機体のフルモデルチェンジから脱し、ガイダンスやアシスト機能などを年次アップデートさせていく、デジタルプラットフォームを構築した。 - 油圧ショベルを災害時にだけ“遠隔化”、CATが提案する「普段使いの防災建機」実機デモも
キャタピラージャパンは、油圧ショベルを遠隔操作するためのリモートコントロールキットを2019年内に発売する。この建機遠隔システムは、国内の現場で相当数が稼働している同社の主力機「320/323」に“後付け”ができるのが特長だ。災害現場や危険を伴う工事での安全な施工に活躍が期待される。 - 日本キャタピラーが“インターネット”営業所、メンテ商品を購入しやすく
建設機械ディーラーの日本キャタピラーは、同社の建設機械ブランド「Cat」の純正部品を販売する「インターネット営業所」をオープンした。建機のメンテナンス商品などを購入しやすくすることで、顧客の利便性向上を図る。