抗ウイルス機能「ビオタスク」を付与した床材、高齢者向けで滑りにくい仕様:新建材
新型コロナウイルス感染症の拡大で、現在、抗ウイルス機能などを付与した衛生対策製品に一般消費者の関心が高まっている。こういった状況を受けて、大建工業は、ウイルス感染による重症化リスクの高い高齢者への対策が最優先であると判断し、独自の抗ウイルス機能「ビオタスク」を付与した高齢者配慮床材「おもいやりフロアIV-VS」を開発した。
大建工業は、独自の抗ウイルス機能「ビオタスク※1」を床材に活用する手法を確立し、ビオタスクを導入した床材「おもいやりフロアIV-VS」を開発して、2021年3月22日に発売した。
※1 ビオタスク:空気中や手足から製品上に付着した特定ウイルスの数を減少させるもの。大建工業では、ISO 21702法またはJIS Z2801を参考にした方法で、ビオタスクにより24時間後に特定ウイルスの数を99%以上減らせることを確認している
表面には防滑マットコートを施し滑りにくい仕様
同社は、2009年に起きた新型インフルエンザの世界的流行をきっかけに、2011年から抗ウイルス建材の開発に着手し、2012年に建材向けの抗ウイルス機能であるビオタスクを開発した。その後、ウイルスの感染リスクを空間部位ごとに区分し、ビオタスクを活用する製品の開発優先順位を定めた。開発優先順位は、接触3部位(室内ドアのレバーハンドル・引手・にぎりバー、カウンタートップ、手すり部材)、水平部材(床材)、垂直部材(壁、ドア)の順となった。
上記の優先順位に基づき、大建工業は、接触3部位を中心にビオタスクを採用した製品ラインアップを強化してきた。直近では、2020年8月にドアのレバーハンドルや引戸の引手にビオタスクを追加し、同年9月にはビオタスクを備えた製品の一部で、抗菌製品技術協議会(SIAA)の「抗ウイルスSIAA認証」を取得した。また、これらの取り組みと並行して、2019年から水平部材である床材へのビオタスクの利用を見据えた技術開発にも着手してきた。
そして今回、ビオタスクを採用した床材の第1弾として、おもいやりフロアIV-VSを開発した。おもいやりフロアIV-VSは、一般的な床材と比べ滑りにくくすることで高齢者の歩行に配慮するとともに、車イスの走行で傷が付きにくくし、水滑りにも考慮した高齢者配慮床材「おもいやりフロアIV」をベースに、抗ウイルス機能を付与したもの。
表面には、防滑マットコートを施しており、滑り抵抗係数(C.S.R値)を、一般木質床材よりも少し高めの0.4〜0.5に設定している。さらに、抗ウイルス剤を添加した特殊塗料を同社の製造ラインで塗布することで、ビオタスクの品質基準をクリアした。
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