中山道の宿場町「奈良井宿」で、竹中工務店が200年前の酒蔵と民宿をリノベ:プロジェクト
竹中工務店は、長野県塩尻市との地域課題解決に取り組む連携協定に基づき、中山道の宿場町「奈良井宿」で、街の象徴となっていた伝統的建造物の酒蔵と民宿を小規模複合施設にリノベーションする。
竹中工務店と全国各地で地域の課題解決に取り組む47PLANNINGは、長野県塩尻市奈良井で、約200年前の伝統的建造物を改修し、宿泊・レストラン・酒蔵を中心とした小規模複合施設として2021年夏に開業する計画「(仮称)奈良井宿古民家改修プロジェクトを2021年4月から進めている。
約200年前の伝統的建造物をリノベーション
計画では、文化庁の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている中山道の宿場町として栄えた奈良井宿で、「旧杉の森酒造」と「旧豊飯豊衣(ほいほい)民宿」の2棟を改修し、建築物の営み・歴史が継承された空間、地域独自の文化資源を活用したサービス、奈良井宿ならではの価値が体感できる施設を整備する。
旧杉の森酒造は、創業1793年の酒蔵で木曽5大銘柄酒と呼ばれ、酒蔵は街のシンボルにもなっていたが、2012年に休業。一方の旧豊飯豊衣民宿は、江戸時代に奈良井宿の主産業だった、曲物を作る職人の住居から端をなし、近年は奈良井宿を訪れる人々をもてなす民宿となっていた。
改修工事は、竹中工務店が地域の森林資源の利活用を進める塩尻市森林公社とともに出資して立ち上げた「ソルトターミナル」が事業主体となり、旧杉の森酒造の改修設計は竹中工務店が手掛ける。施設の企画プロデュースは47PLANNNGが担い、47PLANNINGが設立した新会社「奈良井まちやど」が開業後の宿泊・飲食などの運営を行う。
また、旧杉の森酒造で酒造りをしていた杉の森酒造の事業承継に伴う酒蔵再生及び日本酒製造は事業全体アドバイザーのkiraku、旧豊飯豊衣民宿の改修設計はツバメアーキテクツ一級建築士事務所がそれぞれ担い、レストランのプロデューサーとしてDINING OUTを主催するONESTORYが参画するなど、各分野のプロフェッショナルが集う。
竹中工務店は先立つこと2020年1月25日に、持続可能な社会づくりや地域課題の解決に寄与・貢献することを目的に、長野県塩尻市と「連携協定」を締結。連携事項の一つに、「歴史的建物資源や文化資源の活用等に関すること」を掲げており、今回にプロジェクトは、その実現に向けた取り組みとして位置付けている。
また、協定に基づき、塩尻市の外郭団体・塩尻市森林公社と協力して、森林資源と地域経済の持続可能な好循環を目指す「森林グランドサイクル」の創出による地域課題の解決にも取り組んでいる。
(仮称)奈良井宿古民家改修プロジェクトの概要は、所在地と敷地面積が旧杉の森酒造は長野県塩尻市奈良井551-1で1768.15平方メートル、旧豊飯豊衣(ほいほい)民宿は長野県塩尻市奈良井607で260.1平方メートル。改修後の用途は、旧杉の森酒造は客室8部屋の宿泊施設とレストラン、温浴施設、酒蔵など、旧豊飯豊衣民宿は4部屋宿泊施設とギャラリーとして運用する見込み。
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