南麻布で緑豊かな高齢者施設が開業、スマートシニアハウジング構想適用の第1号物件:プロジェクト
ヒューリックは、開発を進めていた老人ホーム「チャームプレミアグラン南麻布」が2021年2月に竣工したことを公表した。同社は、4Kビジネス(高齢者、観光、環境、教育)の1つとして高齢者施設の開発に注力しており、今回の物件を含め3600室超の居室を所有している。チャームプレミアグラン南麻布は、AI・IoTのテクノロジーを活用して先進的な高齢者施設を実現するスマートシニアハウジング構想を具体的に適用した第1号の物件で、睡眠センサーや顔認証カメラによる入退館管理システムなどの導入により、入居者と運営者双方への新たな付加価値を提供している。
ヒューリックは、東京都港区南麻布で、計画を進めていた老人ホーム「チャームプレミアグラン南麻布」が完成し、運営会社のチャーム・ケア・コーポレーションが一括賃貸して、2021年3月1日に開業したことを同月19日に発表した。
内部構造は格子状フレームで入居室などに天井までカバーするハイサッシを設置
チャームプレミアグラン南麻布は、東京メトロ日比谷線「広尾」駅から徒歩約11分の場所にあり、周辺は、江戸時代の武家屋敷と寺社仏閣の名残がある景色が存在し、各国の大使館が集まる豊かな国際性を備えている。
建物の外観は、武家屋敷を連想させ、梁と柱からなる格子をデザインコードとした格調高いものに仕上げた。さらに、エントランスへの動線を正面の植栽とボーダータイル壁を回り込む形とし、コンパクトな敷地の中で奥行きのある迎賓空間を創出した。
外構は、同施設の北側にある隣地の緑量と呼応するように、季節の彩を感じられる木々を設置。南側の庭園は隣地との緩衝帯としつつ、常緑樹を配置し葉の色や形の変化を楽しめるようにした。
施設の内部は、構造を格子状フレームとすることで、入居室や共用室に天井までカバーするハイサッシを取り付けられようにし、明るく開放的な空間とした。また、1階のエントランスと地下ダイニングとの間に吹き抜けを設け、吹き抜けに隣接する1階の共用室とガラスでつなげることで、各室が連続し、リラックスしやすい空間になっている。
環境性に関しては、全館でLED照明を採用し、ダイニングの一部で床暖房を導入した他、太陽光発電による共用部の照明への電力供給、積極的な自然採光確保などで、省エネルギー化とCO2削減を推進している。
チャームプレミアグラン南麻布の概要
チャームプレミアグラン南麻布は、RC造地下1階/地上4階建てで、延べ床面積は1724.77平方メートル。所在地は東京都港区南麻布3丁目6番5号で、敷地面積は761.77平方メートル。居室数は計32室で、専有部の面積は約19平方メートル。竣工は2021年2月。
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