キヤノンのCAD向け大判プリンタに、図面の大量印刷に応える新ラインアップ「TZシリーズ」:CAD(2/2 ページ)
キヤノンの独自調査によると、ここ最近は、CAD図面のカラー化需要の高まりや建築・土木・製造など個々の現場での出力ニーズの増加に伴い、大判プリンタによるCAD図面の出力需要は堅調に推移している。また、業務効率の改善や即時性などの理由で、これまでは外注していた大判サイズの印刷物を内製化するニーズも追い風となり、A1以上のサイズに対応した大判プリンタの2020年市場規模は、国内で約2万2000台に上るという。
ロール紙を置くだけの「スマートロール紙セット」を実装したTXシリーズ
imagePROGRAF TXシリーズの6機種(TX-4100/TX-4100 MFP/TX-3100/TX-3100 MFP/TX-2100/TX-2100 MFP)は、5色顔料インク「LUCIA TD」で、高精細な図面印刷、普通紙や光沢紙への色鮮やかなポスター印刷など、幅広い用途に適する。
印刷速度は、給紙時に用紙情報を自動検知し、連続印刷中に次ページのデータ処理を並行して行うことで、1分間に約3.2枚を高速プリントする。2018年1月に発売した従来機種(TX-4000/TX-3000/TX-2000)と比較すると、約23%を高速化している。
新機能では、本体給紙部にロール紙を置くだけで、用紙の給紙、紙の種類や幅の検知、残量の推計、プリントまでの自動調整などを行う「スマートロール紙セット」を備える。従来機種と比べ、用紙残量推計の精度が向上し、作業負荷の高い給紙作業の自動化で、オペレーターの作業負荷が軽減する。人の手で用紙を給紙口に挿入する作業が不要となったため、給紙時に用紙の印刷面に触れる必要がなくなり、指紋や汚れの付着を防げる。
周辺アプリケーションでは、ポスター制作のPC用ソフトウェア「PosterArtist Lite」が無償で提供される。新型コロナウイルス感染症の予防対策で、「新しい生活様式」の実践を促すポスターテンプレートやクリップアートなどがストックされており、例えば体温測定の告知をはじめ、手洗いやマスク着用を促す掲示物など、ポスター制作の内製化が実現する。
各製品の発売予定日及び価格は、imagePROGRAF TZ-30000 MFPが2021年6月中旬で149万円。imagePROGRAF TXシリーズは2021年5月中旬で、最安価格は37万8000円(全て税別)。
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