映像と音声で現場に指示可能なサービス、独自画像システムで映像劣化を防ぐ:製品動向
キヤノンITソリューションズは、遠隔地にいる管理者が、映像と音声で、現場の作業者に指示が行える遠隔業務支援サービス「VisualBrain」を開発した。独自開発の画像転送処理システムで、映像の劣化を防ぐなどの特徴を有している。
キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は2020年7月1日、遠隔業務支援サービス「VisualBrain」の提供を開始した。
2022年までに売上高3億円を目標に
VisualBrainは、キヤノンITS独自の映像・通信技術とNTTコミュニケーションズのWebRTCプラットフォーム「SkyWay」を活用したクラウドサービス。iPhoneから送られた映像と音声をPC上のブラウザでリアルタイムに受け取り、PCからもリアルタイムに音声をiPhoneに送信できるため、双方向のコミュニケーションを可能にする。
例えば、遠隔地にいる管理者が、現場の担当者と映像や音声を共有することで、現地に赴くことなく効率的に作業指示が行える。
搭載した通信モードは、滑らかな映像配信が特長の「ビデオモード」と、低帯域でも画質の劣化を抑止する「イメージモード」の2タイプを有しており、モバイル環境でのスムーズなコミュニケーションを後押しする。
イメージモードは、キヤノンITSが開発した画像転送処理システムを使用し、ストリーミング方式で、通信品質低下による画像劣化問題を解消しており、高精細な視界共有を必要とする業務に適している。
組み込まれた映像・画像処理技術は、双方向コミュニケーション中でも、高精細な写真撮影を支援する。映像では分かりにくい定規の目盛りや部品の凹凸なども画像として保存し、細かい意思疎通を進められる。
ヘルメットや衣服に取り付けられるキヤノン製モバイルカメラ「MM100-WS」と連携して使用することで、現場担当者は通話中でも、両手を利用して作業に取り組める。
また、保存された写真や動画データを2次活用しやすくするため、外部システムとの連携用WebAPIを備えている。ユーザーが保有するシステム環境との連携は個別開発で対応する。
今後、同社はVisualBrainを活用した現場作業支援やリモートワーク支援などのソリューションを提供することで、2022年までに売上高3億円を目指す。
価格は、初期導入費は10万円〜で、月額利用料は8万円〜。年間利用料は96万円〜(いずれも税別)。
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