愛知県愛西市で延べ6.3万m2の物流施設「愛西DC」が竣工、ESR:プロジェクト
ESRは、愛知県愛西市南河田町で開発を進めていた物流施設「ESR 愛西ディストリビューションセンター」が竣工したことを明かした。ESR 愛西ディストリビューションセンターは、物流施設の空室率が低い影響で物流拠点のニーズが高い名古屋市近郊にあり、荷主の物流業務を受託するサードパーティーロジスティクスによる利用や小売業界における商品物流拠点としての活用が期待される。
ESRは、愛知県愛西市南河田町で開発を進めていた物流施設「ESR 愛西ディストリビューションセンター(愛西DC)」が2020年10年31日に竣工したことを同年11月5日に発表した。
1〜3階まで車で直接上がれる双方向ランプウェイ式のスロープを採用
愛西DCは、S造・耐震構造の地上4階建てで、延べ床面積は6万3358平方メートル。所在地は愛知県愛西市南河田町八龍5番8で、敷地面積は3万3376 平方メートル。最大6テナントへ賃貸が可能。用途地域は市街化調整区域。企画設計・マスタープラン・基本計画はESRが、設計・施工は塩浜工業が、それぞれ担当した。
同施設は、名古屋市に近接する尾張地区の内陸地にあり、東名阪自動車道の「蟹江インターチェンジ(IC)」から約7.5キロ、名古屋第2環状自動車道の「甚目寺南IC」から約7キロ、国道155線につながる愛知県道79号あま愛西線から500メートルの場所に位置し、交通利便性に優れている。
名古屋市中心部からは15キロ、名古屋港から22キロ、中部国際空港セントレアから60キロのエリアに存在するため、名古屋市における消費地(内陸・湾岸部)のみならず、東海全域や関西、関東への広域配送拠点としても機能する。
建物は、1〜3階まで車で直接上がれる双方向ランプウェイ式のスロープを備えている。荷物の積み下ろし用トラックバースは、1階が低床式で33台分、3階は高床式で29台分を配置した。1階の低床式トラックバースは、設置された防火シャッターがウイング車(側面の扉が開き荷物を両サイドから積み下ろせるトラック)のオペレーションにも対応するように天井高5.2メートルを確保。梁(はり)下有効高は、1階が6.5メートルで、2階は6.8メートル(一部5.5メートル)と標準より高い。
床荷重は、重量のある大型型荷物への対応を目的に、1階は1平方メートル当たり2トンで、2〜4階は1平方メートル当たり1.5トンとなっており、1〜2階は2.5トンのフォークリフトが、3〜4階は1.5トンのフォークリフトが走行可能。1-2階の各区画には積載荷量1平方メートル当たり3.5トンと1平方メートル当たり5.0トンの荷物用エレベーター各1基と、2パレットを並列搬送するパレット専用垂直搬送機を1基ずつ取り付けた。
3〜4階の各区画には、積載荷量1平方メートル当たり3.5トンの荷物用エレベーター各2基と、パレット・カゴ車兼用の垂直搬送機各1基を設置した。それぞれの区画では、高圧電力での電力供給に応じ、ロボティクス、マテハン、ハイスペックなシステムの導入も可能。1〜3階には休憩室を設け、4階にはラウンジを配置した。敷地内には、通勤用の駐車場115台分と駐輪場71台分を用意し、20台分の大型トラック待機場も完備。
BCP対策としては、屋内に非常用発電機を設置しており、倉庫内の一部、防災センター、荷物用エレベーターの一部、電動シャッター、トイレが停電時でも最大60時間使える。同施設は、愛知県北西部の日光川付近にありながら、造成基盤の整備と日光川の安全対策により、津波、高潮、豪雨による浸水被害リスクが低いという。
環境負荷に関して、愛西DCは、建築環境・省エネルギー機構が推進する「CASBEE-ウェルネスオフィス」でAランク評価を取得。さらに、全館でLED照明を採用し、ヒートポンプ式空調、全熱交換機、節水器具など省エネルギー機器を導入した。
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