「夜間飛行」が実現するNEDOが開発を進めるインフラ点検に適した小型ドローン:ドローン(2/2 ページ)
新エネルギー・産業技術総合開発機構や自律制御システム研究所などは、経済産業省が支援する「安全安心なドローン基盤技術開発」事業で、インフラ点検に適したドローンの開発を進めている。
オプションとして可視光カメラと赤外線カメラを切り替えられるカメラを搭載
記者発表会の後半では、安全安心なドローン基盤技術開発事業で開発しているドローンの試作機をACSLの鷲谷氏が紹介した。
試作機は、重さが1.7キロの小型空撮ドローンで、飛行時間は30分。搭載された標準カメラは4K動画の撮影に対応しており、2000万画素の静止画も撮れる。デジタルナンバープレートの役割を果たすリモートIDは、Bluetooth5.0の通信で取得する。フライトログは専用クラウドに残り、撮影データも含めた流出を防ぐ、セキュリティシステムに守られている。
操縦は、専用コントローラー以外にも、機体の操作やフライトプランの作成、自動離陸の設定、フライトログの管理といった機能も備わっているアプリケーションやクラウドでもコントロールできる。
鷲谷氏は、「開発しているドローンは、可視光カメラと赤外線カメラを組み合わせた切り替え式カメラ“可視+IRコンボカメラ”や対象に合わせて計測波長を変えられるマルチスペクトルカメラをオプションとして用意している。可視+IRコンボカメラは、赤外線で映像を取得するため、夜行飛行が実現し、人物や火災なども熱エネルギーで可視化する。マルチスペクトルカメラは、一眼で、植生の分布状況や活性度を表す正規化植生指数(Normalized Difference Vegetation Index、NDVI)を見える化するのに役立つ」と述べた。
最後に、「ACSLのブランドで上市する場合は、国内だけでなく、海外でも販売していく。販売先は、エンドユーザーやドローンを用いたサービスを展開するソリューションプロバイダーを想定している」と補足した。
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