コロナ流行前から戸建て住宅購入を検討していた人が全体の70%、三井不動産らが調査:調査レポート(2/2 ページ)
三井不動産レジデンシャルは、同社が販売するマンションもしくは戸建て住宅を契約した20代〜70代以上までの475人を対象に、インターネットアンケートを活用して、「新型コロナウイルス感染拡大による住宅検討・購入に関する調査」を行い、コロナ禍が住宅購入のきっかけになった層より、以前から住居取得を検討していた人のほうが多いことを明らかにした。
広さと部屋数の多さを重要視
コロナ禍を動機にマンションを契約した対象者が住まいで重視した点については、「もっと広い家に住みたかった」とした人が全体の68%で最多だった。次いで、「もっと部屋間数が必要となった」は44%、「現在の住居費は高くてもったいない」は42%、「もっと生活利便性が高いところに住みたかった」は35%、「もっと交通利便性の高いところに住みたかった」は28%となった。
「コロナ禍でマンションを購入した対象者が広さと部屋数に重きを置いているのには、在宅勤務が定着したことが影響していると思う。コロナ禍を主因にマンションを契約する以前における対象者の住居形態は、全体のうち、70%が賃貸居住で、41%は間取りが1K・1LDK未満、43%は広さ50平方メートル未満だったことから、“脱賃貸”と“間数・広さの拡大”を目的にマンションを手に入れた人が多かったと推測している」(清本氏)。
コロナ禍を要因に戸建て住宅を購入した対象者が住居で重要視した点に関しては、「もっと広い家に住みたかった」とした人が全体の60%で半数を超えた。次に、「もっと部屋間数が必要となった」は44%で、「老後の安心のため、家を持ちたい・住み替えたいと思った」と「税制が有利で買い時だと思った」はともに40%となった。
清本氏は、「コロナ禍を要因に戸建て住宅を購入した対象者は、マンション契約者と異なり、全体の52%が家を所有しており、現居の延べ床面積が60平方メートルを超え、間取りが3LDKという人も多数いた。この原因は、三井不動産レジデンシャルが販売する戸建て住宅の中には、延べ床面積が広大なものも多く、より広い戸建て物件を求めるユーザーのニーズに応えられているからだ」とコメントした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- コロナ禍に住宅産業はどう立ち向かったか? 商機に変えた工務店やビルダーの事例からヒントを得る
ウェブサイトに掲載した記事を印刷しても読みやすいPDF形式の「電子ブックレット」にまとめました。無料のBUILT読者会員に登録することで、ダウンロードすることができます。今回のブックレットは、福井コンピュータアーキテクトが開催したオンラインセミナー「A-Styleフォーラム 2020〜新型コロナウイルスで露呈した工務店のリスク対策」の3講演を採り上げています。 - 【新連載】アットホームラボ調査レポ「コロナ禍でどう変わった?2020年の不動産市況を振り返る」
本連載では、不動産に関する各種データや不動産仲介の現場から集めたリアルな声をもとに、アットホームラボの磐前淳子氏が最新の市場動向について解説していきます。 - 伸び悩む工務店でデジタルシフトが必須な理由、コロナで変わった工務店選びの現状
SOUSEI Technologyは、このほどマイホームアプリ「knot」の導入ビルダー数が800社を超えたことを発表した。採用社数の拡大と売り上げが伸び悩む工務店を対象に、デジタルシフトを後押しするため、knotを展示会などでPRしている。 - 野村総研が2020〜2040年度の住宅着工戸数を予測、コロナ影響は2020年度の第3四半期がピーク
野村総合研究所は、2020〜2040年度の新設住宅着工戸数と2019〜2040年度のリフォーム市場規模を予測した。レポートでは、新設住宅着工戸数の予想では、新設住宅着工戸数への新型コロナウイルスの影響がピークになる時期も推測している。 - コロナ禍で「住宅展示場の見学予約数」は4倍増に、住宅で欲しいのは「優れた空気清浄や換気」
ファジー・アド・オフィスは、住宅展示場の来場登録者を対象に、コロナ禍での戸建て住宅に対するアンケート調査を行った。調査結果では、モデルハウスの見学予約が2019年との比較で、約4倍増となり、戸建て購入を検討する人が増えている実態が明らかになった。