近畿圏の新築分譲マンションの市況を調査、全体的に低迷するも大阪都心部では一部好調:調査レポート(4/4 ページ)
大阪不動産マーケティング協会は、会員企業の31社を対象に、近畿圏の新築分譲マンションにおける市況に関して調査した。結果、新型コロナウイルス感染症の影響で、モデルルームへの来場者が減少している他、近畿圏で新築分譲マンションの需要が低迷している一方で、大阪市都心部ではニーズがあり、一部好調な企業が存在することが明らかになった。
全体の74.2%がアフターコロナを見据えた商品企画が増加すると想定
「今回の新型コロナ感染拡大により、近畿圏の新築分譲マンション市場に今後どの様な影響があると考えられるか」と複数回答可能な条件で対象企業に質問すると、「ホテルなど分譲マンション以外の事業検討が減少し、分譲マンション用地が買いやすくなるため、供給戸数は増加する」と答えた企業が全体の46.7%で最多だった。この他に多かった回答は、「個人消費の低迷が長引き、分譲マンションの売行きが悪化し、完成在庫が増加する」の36.7%や「新型コロナ感染拡大でテレワーク等に対応した新商品企画で需要が拡大する」の33.3%、「テレワークの進展などにより、都心部での供給戸数が減少し、郊外で供給が増加する」の26.7%となった。
また、「2021年の近畿圏における供給商品のトレンドはどのようになると考えているか」と複数回答可能な条件で対象企業に聞いたところ、「アフターコロナを見据えた商品企画(例:共用部のコワーキングスペース、専有部でのテレワーク、オンライン学習用リモートスペースなど)を採用した物件が増加する」と答えた企業が全体の74.2%だった。この他に多かった意見は、「ファミリー向けのやや狭い(60平方メートル前後)物件が増加する」と「DINKS(共働きで子供を意識的に作らない、持たない夫婦)向けコンパクト物件が増加する」で、どちらも全体のうち54.8%の企業が答えた。
「現在、“新規事業開発”を行っているか」と対象のデベロッパーに質問したところ、「行っている」と答えた企業が全体の87.5%で過半数となり、残りは「積極的に行っている」と回答した。加えて、国内の新規事業に関する進捗について、対象のデベロッパーに聞くと、「分譲マンション建替え事業」や「一般賃貸住宅・オフィス開発」事業は事業化済み(今後も展開)と答えた企業がともに全体の60%以上だった。
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