近畿圏の新築分譲マンションの市況を調査、全体的に低迷するも大阪都心部では一部好調:調査レポート(3/4 ページ)
大阪不動産マーケティング協会は、会員企業の31社を対象に、近畿圏の新築分譲マンションにおける市況に関して調査した。結果、新型コロナウイルス感染症の影響で、モデルルームへの来場者が減少している他、近畿圏で新築分譲マンションの需要が低迷している一方で、大阪市都心部ではニーズがあり、一部好調な企業が存在することが明らかになった。
約3分の2を超える企業が坪単価が上ると予測
「2021年の近畿圏における分譲マンションの坪単価は地域別で2020年に比べどのようになると考えているか」と対象企業に質問したところ、近畿圏全体については、「5%程度アップ」と答えた企業が全体の54.8%で過半数を占めた。次に、「変わらない」は25.8%で、「10%程度アップ」は12.9%、「5%程度ダウン」は6.5%と続いた。
大阪市都心部に関しては、「5%程度アップ」と回答した企業が全体の51.6%で半分以上となった。次に、「10%程度アップ」は29%で、「変わらない」は12.9%、「10%程度ダウン」と「無回答」はともに3.2%だった。その大阪市については、「5%程度アップ」と回答した企業が全体の45.2%で最も多かった。次いで、「変わらない」は29%、「10%程度アップ」は16.1%、「5%程度ダウン」は6.5%、「無回答」は3.2%の順。
北摂については、「5%程度アップ」と回答した企業が全体の38.7%で最多。次に、「変わらない」は32.3%、「10%程度アップ」は19.4%、「5%程度ダウン」は6.5%、「無回答」は3.2%。阪神間に対しては、「変わらない」「5%程度アップ」という回答がともに全体の32.3%となった。次いで、「10%程度アップ」は19.4%、「5%程度ダウン」は12.9%、「無回答」は3.2%。
神戸市については、「5%程度アップ」と回答した企業が全体の41.9%だった。次に、「変わらない」は35.5%、「10%程度アップ」は19.4%、「無回答」は3.2%。京都市に関しては、「変わらない」と答えた企業が全体の35.5%だった。次に、「5%程度アップ」は29%、「10%程度アップ」は16.1%、「15%程度アップ」は9.7%、「20%程度アップ」「5%程度ダウン」「無回答」はいずれも3.2%となった。
約3分の2を超える企業は、近畿圏の坪単価が上ると見ており、大阪市都心部で上昇することを想定しているだけでなく、他地区も平均3〜4%程度のアップを見込んでいる。
2021年度の用地取得状況は「80%以上」が全体の87.5%
「2021年度の近畿圏における分譲マンションの供給目標戸数は2019年度実績に比べてどのようになるか」と、対象企業の中から、デベロッパーのみに聞いたところ、「20%以上アップ」と回答した企業が全体の43.8%だった。次いで、「変わらない」は25%、「無回答」は12.5%、「10%程度アップ」「15%程度ダウン」「20%以上ダウン」はいずれも6.3%。
「近畿圏における用地取得状況は、各年度の供給予定(目標)戸数に対し、現時点でどの程度まで進んでいるか」と対象のデベロッパーに聞くと、2021年度については、「80%以上」と回答したデベロッパーが全体の87.5%で最も多かった。次いで、「50〜80%未満」と「無回答」はともに6.3%だった。
2022年度に関しては、「80%以上」と答えた企業が全体の68.8%で過半数となった。次に、「50〜80%未満」は18.8%で、「30〜50%未満」と「無回答」はともに6.3%だった。2023年度については、「80%以上」「50〜80%未満」「30〜50%未満」と回答した企業がいずれも全体の31.3%を占めた。次いで、「無回答」は6.3%となった。
「2021年の近畿圏全体の分譲マンション供給戸数はどの位になると考えているか」と対象企業に質問したところ、「1万7500〜2万戸未満」と回答した企業が全体の32.3%だった。次に、「1万5000〜1万7500戸未満」は29%で、「1万〜1万2500戸未満」は19.4%、「2万〜2万2500戸未満」は3.2%と続いた。
2021年度の近畿圏における分譲マンションの供給予定戸数を対象企業に聞くと、供給予定戸数の合計は5940戸だった。一方、大阪不動産マーケティング協会は、2019年の供給比率を基に、2021年度の供給予定戸数を算出したところ1万6470戸となった。
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