ネットワークやソフトウェア、エッジデバイスの導入・構築・運用をまとめた新サービス:製品動向(3/3 ページ)
パナソニック コネクティッドソリューションズ社とパナソニック システムソリューションズ ジャパンは、顧客の課題に合わせて、通信ネットワークやソフトウェア、エッジデバイスといった各ソリューションの導入やシステムの構築、運用サポートをパッケージにして提供し、現場のDXを後押しする「現場マルチネットワークサービス」を開発した。両社は、現場マルチネットワークサービスの販売目標として2025年までに累計1000億円を掲げている。
各通信システムを統合管理可能
続けて、「既設のWi-Fiと連携しつつ、LTEや5Gといった新たなネットワークを構築、導入したいという顧客の要望を踏まえ、各通信システムを統合管理する技術“マルチアクセス制御”を開発している。マルチアクセス制御の第1弾として、複数に及ぶ携帯電話の国際的な識別番号“PLMN ID”を認証する装置“LTE コア”を2021年6月に発売する。LTE コアは、活用することで自営BWAやsXGP、各通信システムのSIMを認証できるため、こういったネットワークの統合的な管理が可能になる」と明かした。
さらに、「マルチアクセス制御の第2段階では、LTE コア開発のノウハウを生かし、2022年4月発売予定のローカル5Gシステムで、LTEと5Gに加え、SIMを搭載しないネットワークであるWi-Fiも統合的に認証することが可能な装置“5G コア”をリリースする。5G コアで多様なネットワークの制御を一元管理することで、複数のネットワークを統合的に運用しつつ、通信方式が異なる端末もコントロールする。これにより、ネットワークの管理を一元化できるので、運用・管理コストを減らせる」と補足した。
また、両社はローカル5Gシステム向けに高精細画像の伝送技術として「AV-QoS技術」を独自開発。AV-QoS技術は、5Gのような大容量帯域にも追従可能な無線回線の帯域推定技術で、画像の圧縮率を無線回線の変動に合わせて調整し、違和感のない滑らかな映像を配信する。
現場マルチネットワークサービスのサポート体制に関して、野口氏は、「主なサポート体制は、計画の立案と要件定義を扱う導入サポートやシステムの設計開発と構築を担当する構築サポート、保守などを担う運用サポートの3つから成る。これらに加え、パートナー企業の提案力強化を目的に、ネットワークSEを20人配置する他、導入サポートで専門のスタッフがニーズには合致したソリューションをモデル化し、構築サポートではBWAやローカル5G、Wi-Fiといった自営ネットワークの最適な設計をSIとSEが支援する」と解説した。
今後、両社は、現場マルチネットワークサービスと現場センシングソリューションのクラウドサービス化を実現し、中小企業の工場やデベロッパー、店舗、オフィス、ホテル、学校、病院の現場にも対応できるようにしていく方針を示している。
現場マルチネットワークサービスの価格は、ネットワーク構成と基地局数で構成される機器費用や導入・構築サポートが個別見積で、運用サポートは月額12万円(税別)。両社は、現場マルチネットワークサービスの販売目標として2025年までに累計1000億円を掲げている。
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