土留支保工の“ひずみ”を知らせる熊谷組のKLAセンサー、専門技能無しで設置可:維持管理
熊谷組は、鋼製の部材に設置し、ひずみが生じた際にLEDが点灯して危険を周囲に知らせる「KLAセンサー」を開発した。設置にあたっては、これまで計測に用いていた軸力計やひずみゲージに比べ、専門技能無しで、磁石によって簡単に取り付けができる。
熊谷組は2020年12月、土留支保工のひずみを検知する「KLA(Kumagai Light Alarm)センサー」を開発したことを明らかにした。
KLAセンサーは、鋼製の部材に取り付けることで、部材に閾(しきい)値以上のひずみが生じた時に光のアラームを発し、危険の可視化を行う。採用することで、地盤の開削工事などで土留支保工に変状が生じた際、光アラームを発することで、作業者がリアルタイムに危険を察知することができる。設置には特殊な技能を必要としないという。
設置が手軽で、危険を可視化するKLAセンサー
開削工事で土留支保工に変状が発生してしまうと、仮設・本設構造物に影響を及ぼすだけでなく、作業中の人命にも関わる。そのため、土留支保工の変状が予測されるときは、部材に軸力計やひずみゲージなどを設置し、計測管理を行いながら施工している。
しかし、一般にこのような計測は、専門的な知識が必要なため、作業中の者へ変状の情報をリアルタイムに伝えることは難しかった。
そこで熊谷組は、部材に変状が発生すれば、すぐに周囲へ危険を知らせ、避難を促すことで現場の安全を確保するKLAセンサーを開発した。
センサーは、土留支保工などの鋼材に磁石で取り付けるだけで完了する。閾値は0〜900マイクロ(μ)の間で、100μ刻みで設定でき、設定された閾値以上のひずみを検知すると、センサー中央の警報LEDが点灯する仕組み。
部材のひずみや軸力の計測で通常用いられる軸力計やひずみゲージは、設置にも特殊な技能が必要で、一度取り付けてしまうと移動することもできないことが多い。対して、KLAセンサーは磁石で誰でも手軽に設置可能で、取り外しも簡単な仕様となっている。工事の進捗に合わせて、より大きな負荷が想定される部材にセンサーを設置し直すといったことにも対応する。
既に熊谷組では、実際の土留支保工を想定した検証実験を行い、計測部のひずみから求めた鋼材ひずみの推定値が、実際の鋼材ひずみと一致することを証明している。
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