マスク着用のまま100センチ離れても検温可能な新端末、検温誤差は±0.2度:製品動向
JVCケンウッド・公共産業システムは、対象者がマスク着用のまま20〜100センチ離れても、検温誤差±0.2度で、体表面温度を測れるAI検温ステーション「VA110」を開発した。
JVCケンウッドグループのJVCケンウッド・公共産業システムは、非接触セルフ式検温端末としてAI検温ステーション「VA110」を2020年11月18日に発売した。
検出時間は0.3秒
近年、新型コロナウイルス感染症の対策として、これまでの防犯セキュリティに加え、来館者の入場時に検温を行う企業と団体が増え、非接触で検温可能なソリューションのニーズが高まっている。
こういった需要の拡大を受けて、JVCケンウッド・公共産業システムは、非接触で体表面温度を測定するAI検温ステーションVA110を開発した。VA110は、顔認識用のAIと高性能温度センサーを搭載することで、VA110から対象者がマスク着用のまま20〜100センチ離れても、検温誤差は±0.2度を維持し、検出時間0.3秒で体表面温度の測定を実現する。
VA110の検温方式には、対象者が同機の音声と画面ガイダンスに従って、マスク着用のまま同機の前に立つだけで体表面温度を測れる非接触セルフ式を採用している。VA110が設定温度よりも高い温度の検知やマスク未着用を検出した時はアラート音を発し周囲に知らせる。測定結果は本体に100万件まで記録でき、スナップショットは最大2万件残せる。
また、別売りのオプションとして、専用クラウドの顔認証機能やエッジAIを活用した監視カメラとの連携機能、設置場所に応じて利用できるフロアスタンドとデスクスタンドを備えている。
専用クラウドの顔認証機能は、VA110を専用クラウドに接続し顔認証機能を活用することで、あらかじめ顔のデータを登録した従業員や職員の検温と出退勤の情報を管理できる。さらに、顔のデータを登録していない利用者の入場と高熱の対象者を感知した場合、警報を鳴らすため、セキュリティの強化にも貢献する。複数台のVA110が測定した結果の一元管理にも応じている。
エッジAIを活用した監視カメラとの連携機能は、米Atomrock製のエッジAI「Video Analyzer」を内蔵した監視カメラで取得した顔の映像とVA110で認識した顔情報が一致しているかを確かめられる。
また、特定の人物がどのフロアに居たかといった行動履歴を調べられる機能「Photo Search」も使え、顔のデータを登録した従業員と職員が高熱のまま入場した場合、管理者にアラートを発信することもできる。
施設内で感染者が確認された時に、複数の監視カメラで取得した映像から顔情報を検索する機能「Facial Search」も使用可能で、Facial Searchを用いて、感染者が従事したオフィスや移動したフロアの特定も進められる。なお、Video AnalyzerやPhoto Search、Facial Searchはいずれも別売りのオプション。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- JCVの顔認証やAIの空調最適化など、“コネクティビティ”で実現するスマートビル
アズビルは、BASをコア技術に据えて、その枝葉にAIやIoT、クラウド、ビッグデータなどをつなぎ、顔認証セキュリティやSDGs、エリアごとの空調制御、建物価値の永続的な向上など、これまでにないビルに付加価値をもたらすサービスの開発を進めている。 - JCVがISTと業務提携、体温検知サービス「Smart&Security」を発売
日本コンピュータビジョンは、JCV製温度検知機能付きの顔認証デバイス「Sense Thunder」を用いた体温検知サービス「Smart&Security」を開発した。 - 顔認証の誤認証発生率は100億分の1、新スマートロックシステム「FaceStation F2」
Supremaは、顔認証の誤認証発生率が100億分の1で、ユーザーがマスクを装着していても顔を認識し、自動ドアを解錠するスマートロックシステム「FaceStation F2」を開発した。 - アズビルが入退出の顔認証に「AI検温」機能を追加、withコロナ社会へ対応
アズビルは、新型コロナウイルス感染症の対策として、非接触で顔を認識して検温する「AI温度検知ソリューション」の販売を開始した。AI温度検知ソリューションは、withコロナ時代におけるイベント会場やオフィスビルなど、新たな入退場管理方法として需要に応える。 - 非接触で手の消毒や検温が可能なNETDOORのデジタルサイネージ
NETDOORは、非接触で手の消毒や検温が行えるデジタルサイネージ「D-Sign series Clean」を開発した。現在、病院や高級分譲マンションを対象に提案を進めている。 - 施設内の密回避を可視化する「安心ゲート」の実証実験が小田急新宿で開始
パナソニックは、商業施設の来店客が密を回避しながら移動ができる「安心ゲートソリューション」を開発した。