竹中、−40度以下での製品保管向け「自立式超低温倉庫システム」開発:バイオ医薬品を対象
竹中工務店は、マイナス40度以下の超低温域での保管を目的とした「自立式超低温倉庫システム」を日軽パネルシステム、日立グローバルライフソリューションズ協力のもと開発した。バイオ医薬品を対象とし、施工期間を短縮した。
竹中工務店は、マイナス40度以下の超低温域での保管を目的とした「自立式超低温倉庫システム」を日軽パネルシステム、日立グローバルライフソリューションズ協力で開発した。世界的に市場ニーズが高まり、バイオテクノロジーを応用して製造されるバイオ医薬品を対象としたものだ。
従来の超低温倉庫は、結露や結氷を防ぐために、構造体や支持材をウレタンなどの断熱材で被覆する必要があったが、被覆作業はコストと時間がかかり、被覆範囲の特定や施工計画が難しいなどの課題があった。
今回開発した倉庫は、6面全てを自立した断熱性能のある鋼板サンドイッチパネルで構成する。建屋床部と倉庫床との間は断熱性能のある緩衝材を敷き、空気道を確保することで冷凍倉庫特有のヒートブリッジを防ぐ。また、外周のパネルを自立させて倉庫を建屋から独立させることで、外周での結露や結氷も防止し、本体建屋工事に左右されずフレキシブルな施工計画を可能とした。
耐震性能確保のため、加力実証実験により断熱パネルの部材特性を検証し、構造解析モデルにて耐震性能を確認、冷凍倉庫側壁と倉庫建屋の間に振動制御ダンパーを設置した。
同社によれば、従来方式と比較し、床を除いたパネル総面積400平方メートル程度の場合、施工期間を1週間以上短縮でき、同等以下のコストでの導入が見込めるという。
倉庫内は温度コントロール・モニタリングシステムを設置し管理基準のGMP(Good Manufacturing Practice)とGDP(Good Distribution Practice)に適合させ、温度管理に必要なバックアップ機能を有す。電気設備、冷却設備、温度モニタリングシステムなどの稼働に必要な設備をワンパッケージにして、計画・製作・据付・試運転・バリデーションまでを提供する。
建屋内に倉庫自体と収納品などの重量に耐えるスペースがあれば、新築か改修かを問わずに設置できる。
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