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竹中、発色に優れ環境負荷を低減する「ECMカラーコンクリート」開発
竹中工務店は、高い発色性能を持ち、環境負荷低減を実現する「ECMカラーコンクリート」を開発し、2021年3月完工予定の桜スタジアムプロジェクト選手入場口の躯体部分に初適用した。
竹中工務店は、明るめの色を取り入れた美観を実現させ、かつ環境負荷も低減できる「ECMカラーコンクリート」を開発。2021年3月完工予定の桜スタジアムプロジェクト選手入場口の躯体部分に初適用した。
カラーコンクリートとは、コンクリートに無機顔料の粉末を混ぜて着色したコンクリートで、普通ポルトランドセメント自体の色である灰色により着色時に色粉の発色性が低下することが課題であった。これまではブラックコンクリートなど比較的暗い色が採用されることが多く、ピンクや黄色などの明るい色の適用は普通ポルトランドセメントでは困難とされてきた。
今回、大阪市東住吉区の桜スタジアムプロジェクトでは、コンクリートにECMセメントを採用することにより、発色性を高め、明るい色のカラーコンクリートを可能とした。
ECMとは、Energy・CO2 Minimumのことで、ECMセメントは鉄鋼製造の副産物である白色の高炉スラグ微粉末60〜70%を含み、普通ポルトランドセメントと比較して発色性が高い。また、セメント生産におけるエネルギー消費量とCO2排出量を従来のセメントよりも6割以上削減する環境負荷が低減されたセメントである。さらに、これまで明るい色のカラーコンクリートに用いられてきたホワイトセメントと比較し、経済性も向上できるとしている。
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