大和ハウス工業らが大阪府で延べ11万m2超えの物流施設を開発:プロジェクト
大和ハウス工業とフジタは2015年10月に、茨城市の彩都東部中央東土地区画整理事業地内で、産業団地「茨木北テクノタウン」の開発をスタートし、既に茨木北テクノタウンの3区画で物流施設が稼働している。両社は2020年11月1日に、茨木北テクノタウンで、最大10社のテナント企業が入居可能なマルチテナント型物流施設「DPL茨木北」の開発に着手した。
大和ハウス工業とフジタが共同出資し組成した彩都はなだ開発特定目的は、大阪府茨城市で開発している産業団地「茨木北テクノタウン」で、2020年11月1日にマルチテナント型物流施設「DPL茨木北」の開発に着手した。
マルチテナント型物流施設は、複数企業の入居を想定した汎用倉庫で、テナント企業は建設費や維持管理費を抑えて物流事業を展開することができ、1社が単独で使用するBTS型物流施設と比べ、事業開始までの期間を短縮する。
建物には免振システムを導入
DPL茨木北は、プレストレスト・プレキャストコンクリート(PC)造・一部鉄骨造地上5階建てで、延べ床面積は11万5771.63平方メートル。所在地は大阪府茨城市彩都はなだ二丁目で、敷地面積は5万69.51平方メートル。設計はフジタ西日本支社一級建築士事務所が担当し、施工はフジタ・大和ハウス工業特定建設共同企業体が担っている。竣工は2022年8月31日を予定しており、総事業費は約270億円。
施設は、希少価値の高い関西圏内陸部の北摂エリアに位置し、新名神高速道路「茨木千提寺インターチェンジ」から約2キロで、名神高速道路「茨木インターチェンジ」から約7キロの場所に立地しており、近畿エリアと広域西日本エリアにアクセスしやすい。
さらに「大阪国際空港(伊丹空港)」から20キロ圏内と空路輸送にも便利な場所に位置している。近隣には、生活環境が整った彩都西地区をはじめとした大規模ニュータウンもあるため、職住近接の就労環境が整っている。
建物には、地震発生時に荷物や設備のダメージを最小限に抑えられる免震システムを導入する。システムは、揺れを減らせるため、上層階の荷崩れを抑制し、短時間での事業再開を後押しする。
また、テナント企業の従業員が仕事と子育てを両立できるように、施設で働く従業員専用の保育所を施設内に備える。職場に保育所があるため、親子で通勤ができ、緊急時でも保護者が迅速に対応可能。
彩都はなだ開発特定目的が、DPL茨木北を開発する理由には、関西地区で、電子商取引関連の物流量増加により、マルチテナント型物流施設への需要が堅調に推移していることがある。
物流の新規需要が新規供給を上回る状況が続いており、空室率も減少傾向にあり、なかでも大阪府内は、南港や天保山などの湾岸地域において物流施設開発が進んでいる。また、2023年度に全線開通する新名神高速道路の影響で、茨城市や高槻市など内陸部で物流施設の開発が増えている。
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