大和ハウス工業が北陸初のマルチテナント型物流施設を開発、危険物倉庫を併設:プロジェクト
大和ハウス工業が、富山県射水市で、北陸初のマルチテナント型物流施設となる「DPL富山射水」の工事を開始した。同施設は、第4類危険物の保管に応じた危険物倉庫を備えているため、石油製品や化学品などを取り扱う企業も入居できる。
大和ハウス工業は2020年6月1日、富山県射水市でマルチテナント型物流施設「DPL富山射水」の工事に着手した。着工に先立ち同年5月18日には、起工式を行った。
最大54台の接車が可能なトラックバース
DPL富山射水は、重量S造平屋建てで、延べ床面積は2万1372.66平方メートル。計画地は、北陸自動車道「小杉インターチェンジ」から約1キロの距離にある富山県射水市小杉インターパークの第2地区土地区画整理事業施行地内で、敷地面積は4万1968.06平方メートル。設計・施工は北野建設が担当しており、竣工は2021年5月15日を予定している。
マルチテナント型物流施設とは、複数企業の入居を想定した汎用倉庫で、テナント企業は建設費や維持管理費を抑えて物流事業を展開できる。自社専用に建設するBTS型物流施設と比べ、事業開始までの期間を短縮することも可能だ。
今回の施設は、常温倉庫が3社で、危険物倉庫が2社入居でき、常温倉庫の荷物搬出入は、45フィートトラックが最大54台接車が可能なトラックバースを設けているため、荷捌(さば)きを効率的に行える。危険物倉庫は、石油やアルコール、動植物油などの第4類危険物の保管に応じているため、石油製品や化学品などを取り扱う企業も利用できる。
大和ハウス工業では、1955年の創業以来、製造施設や医療・介護施設、オフィスなどさまざまな事業用建築を手掛けるとともに、これまで物流施設を3000棟以上開発してきた。2002年以降は、物流施設の設計・施工にとどまらず、物流最適地の提案から維持管理に至るまで、顧客の事業スキームに合わせて、専用の物流施設をコーディネートする独自の物流プロジェクト「Dプロジェクト」を開始した。
Dプロジェクトでは、特定企業向けの物流倉庫であるオーダーメイド型のBTS型物流施設に加え、立地条件の良い場所に複数のテナントが入居して、短期的な物流ニーズにも迅速に対応できるマルチテナント型も展開し、全国で合計251カ所の物流施設を開発しており、総延べ床面積は約813万平方メートルに及ぶ。
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