複数のロボットを制御するプラットフォームと非接触で乗れるエレベーター、三菱電機:第5回 住宅・ビル・施設 Week(2/2 ページ)
三菱電機は、施設内でのロボットと人の移動を効率化するビルIoTプラットフォーム「Ville-feuille」と機械室レス・エレベーター「AXIEZ-LINKs」を開発した。
スマホでエレベーターを自動で呼び出し
2020年10月8日に上市したAXIEZ-LINKsは、三菱電機のAI技術「Maisart(マイサート)」で、ビル内の人流を予測して、複数のエレベーターにおける運行を最適化し、ドアの開放時間を短縮する「センシングドア」や乗車率に合わせて運行速度を上げる独自の「スーパー可変速システム」などを組み合わせることで、運行効率を従来機「AXIEZ」と比較して、最大で26%改善している。エレベーター内には10.1インチの液晶インジケーターを設置しており、4カ国語のガイドが可能で、緊急時に外国人を含む利用者を適切に誘導できる。
太陽光発電パネルと電気自動車からでも電力供給が可能な「マルチ電源」機能も備えており、BCP対策に貢献し、Ville-feuilleとの接続で、自律走行型のロボットと連携し、ビル管理の省人化や密回避もサポートできる。
また、ウイルスや菌、花粉を抑制する「ヘルスエアー機能」を搭載した循環ファンと抗ウイルス仕様の押しボタンを標準装備している他、タッチレスでエレベーターの操作が行える「スマートフォンサービス」に対応し、感染症対策としても有効だ。
スマートフォンサービスは、専用のアプリにエレベーターの目的階をあらかじめ登録したスマートフォンとエレベーターの発信機をBluetooth通信させることで、ボタンを押すことなく近づくだけでエレベーターを呼び出し、行き先階まで運転する「ハンズフリー運転機能」を備えている。
また、専用アプリを起動し、乗る階と目的階を設定して、画面上の「呼び」ボタンを押せば、ボタンに触れることなく、指定のフロアにエレベーターを呼び出し、目的階まで移動できる。専用アプリでは、インジケーターを非表示設定することで、降りる階を別の階のエレベータホールにいる他人に隠すことも可能で、障がい者や高齢者向けにエレベータードアの開閉速度を遅くすることにも応じている。会場では、スマートフォンサービスを利用して、モニター画面上のエレベーターを呼び出すデモンストレーションを行った。
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