倉庫内を実験場に、マイクロドローンによる施設管理サービスを開発:ドローン
東京流通センターとアイ・ロボティクス、三菱地所は、ドローンを使用した施設管理サービスの開発で協業を開始した。倉庫内の一部でマイクロドローンの飛行実験を重ね、高所・狭所点検など人手や通常のドローンでは困難なサービスの開発のほか、将来的にはドローンとIoT(設備のセンサーなど)を組み合わせたデジタルツインソリューションにも取り組む。
東京流通センター(TRC)とアイ・ロボティクス、三菱地所は、ドローンを使用した施設管理サービスの開発で協業を開始することを明らかにした。
アイ・ロボティクスは、三菱地所が実施した2018年度コーポレートアクセラレータプログラム優秀賞を受賞した企業(203社のうち5社)。三菱地所傘下のTRCは、自社物流施設の運営管理のほか、全国16物流施設の施設管理業務を受託している。
今回の協業では、TRC所有の物流施設(物流ビルA棟)の一部区画約1200平方メートルを実証実験の場とし、TRCが1967年の設立以来培ってきた物流施設の運営ノウハウとアイ・ロボティクスのドローン技術を組み合わせたサービスの実用化を検証していく。
ドローンの飛行実験にはアイ・ロボティクス製マイクロドローン(直径8〜19センチメートル、重量170グラム以下)を使用する。
小型で軽量なマイクロドローンは、飛行時に吹き出す風が微細で周囲への影響が少なく、落下時に人や物に与える危険性も小さいといった特性があり、24 時間365日人・物・作業車両が行き交う施設内での点検やデータ取得に適している。
この特性を生かし、通常サイズのドローンでは困難とされてきた物流施設内の高所・狭所における点検、落下時の安全性検証、障害物検知および回避制御検証などを行うことで、マイクロドローンを使った点検作業の実用化の可否を検証していく。
今後は、ドローンとIoT(設備のセンサーなど)を組み合わせて、倉庫区画内外の不具合事象の傾向や倉庫内状況をデータ化し、デジタルツインソリューションによる物流施設の設計や運営管理の高度化・効率化を目指す。
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