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大和ハウス式「DfMA+IC」でAutodeskと目指す、次世代の“工業化建築”BIM

大和ハウス工業は、創業以来培ってきた建築の工業化をBIMによって、既存の建築プロセスから脱却を図り、次世代のデファクトスタンダードを構築することを掲げている。それを後押しするのが、米国のAutodeskとの戦略的連携で、2018年8月から両社は第一歩となる全社BIM活用へともに歩みを進めてきた。今回、2年間の提携期間の終了に伴い、協力関係をより強化する形で更新したことで、次世代の工業化建築の実現に向け本格始動することになった。

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 大和ハウス工業と米Autodeskは2020年9月30日、DX(Digital Transformation)の加速化に向け、新たな戦略的連携(MOU)に関する覚書を締結した。

MOU2.0は建設業の未来を照らすマイルストーン

 両社は2018年8月31日に、大和ハウス工業社内でのBIM化を展開するための提携を結んでおり、これまでにBIM100%を見据えたプラットフォーム構築をはじめ、BIM推進室(現・建設デジタル推進部)での自動設計や施工デジタル化、その先の施工段階での無人化・省人化への準備といった先駆的な取り組みを実現してきている。

 今回のパートナーシップ締結は、2年の更新時期を迎えたことに伴い、大和ハウス工業が創業当初より培ってきた「建築の工業化」を次世代に向けて業界で変革させていくとともに、BIMを基盤とした生産性の向上及びデジタル技術の活用を主目的に戦略的パートナーシップを強化した。

 締結日と同日に開催された記者発表会では、MOUを更新した経緯について双方の責任者が見解を述べた。


戦略的パートナーシップの記者発表会。左からオートデスク エンタープライズビジネス マネジャー 稲岡俊浩氏、米Autodesk シニアディレクター ルー・グレスパン氏、大和ハウス工業 上席執行役員 南川陽信氏、同社 理事 芳中勝清氏

 大和ハウス工業からはまず、上席執行役員の南川陽信氏が、「Autodeskとは2年前にMOU1.1を交わし、当社でBIM100%計画を実行するにあたり、両者の関係性が大きく寄与した。これを踏まえ、次世代の“工業化建築”を目標に、よりデジタル先端技術を活用すべく、協業するに至った」とコメント。

 また、同社 理事 芳中勝清氏は、BIM100%化について、「建築部門と集合住宅部門で、2020年度内の完全BIM化を達成する見込みだ。残る戸建て住宅部門は、2021年4月からBIMの運用を開始する。今までAutodeskとは、社内のBIM化を進めてきたが、MU2.0を結んだことで、BIMの周辺領域での活用にもスポットを当てていく」と語った。

 ハウスメーカーの枠を越え、マンション、商業施設、大規模ビル、大型物流施設などあらゆる建築領域で、設計・施工を一気通貫で手掛け、ゼネコンよりも1歩先行く大和ハウス工業が標ぼうする“次世代の工業化建築”とは、製造業で先行している「DfMA(Design for Manufacturing & Assembly)」と「IC(Industrialized Construction)」を組み合わせた「DfMA+IC」を建設分野に置き換え、大和ハウス式としたものだ。

 DfMAは、製造工程での建材の作りやすさや建設現場での組み立てのしやすさをあらかじめ考慮した設計手法を指す。ICは言葉通りに工業化建築を意味し、デジタルデータを基に施工を工場で行い、業界で最大の懸念事項とされる人材不足の解消をもたらす、自動化や省力化と建設工程での安全確保につなげていく。

 大和ハウス工業では、この挑戦を単なる建設プロセスの改善ではなく、全く新しい建設業界の先頭に立つ「改革」だと見なし、そのためにBIMでワールドワイドで豊富な実績のあるAutodesukとの戦略的パートナーシップは不可欠としている。

 また、オートデスク側でのMOUの意義については、シニアディレクターのルー・グレスパン氏が、「この2年間、大和ハウス工業とともに歩んできた印象として、BIMに全社展開するスピード感に優れており、建設業界を変えられる企業だと確信した。そのため、互いに合致している次の段階となる“建築の工業化”へ一緒に歩んでいければ」と語り、MOU2.0が建設業の未来を照らすマイルストーンとなることを強調した。

 MOU2.0の期間は2年で、対象範囲は大和ハウス工業の掲げる「次世代の工業化建築」を筆頭に、「自動設計、画像認識、AI、IoTなどの先端技術」「電子契約、ペーパレス化」、さらにコロナ禍を受けて「テレワークなど未来の働き方」、デジタルネイティブ世代へ対応するための「グローバルに戦えるデジタル人材の育成」。さらに、BIM先進国の欧米企業との対外的な交流やグループ海外子会社を含めた全社でのレバレッジをかけた技術強化を挙げている。

 とくに具体的な方向性が語られた人材交流に関しては、新型コロナウイルス感染症の拡大が落ち着いた段階で、全世界に点在するAutodeskのテクノロジーセンターに大和ハウス工業の選抜メンバーを派遣し、オープンイノベーションでDXの研究を進めていくという。

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