神宮前交差点に10階建て商業施設、建築家・平田晃久氏が外装デザイン:プロジェクト
東京渋谷の「表参道」と「明治通り」が交差する「神宮前交差点」で、総事業費180億円を投じて計画されている再開発プロジェクトのイメージパースが公表され、2020年11月から本格着工することとなった。外装・屋上のデザインは、業界での注目度の高い平田晃久建築設計事務所が担当し、原宿・表参道エリアに奇抜な外観を備える新しいランドマークが創出される。
神六再開発と権利者及び特定事業参加者の東急不動産が、ともに再開発を進めている「神宮前六丁目地区第一種市街地再開発事業」の外装と屋上デザインのイメージパースが決定した。
施工は清水建設で2022年度に竣工
プロジェクトは、表参道と明治通りが交差する神宮前交差点の南西角に位置し、「オリンピアアネックス」他を含む街区で構成された敷地面積約3085平方メートルを一体的に整備する再開発事業。2019年2月に事業計画認可を受け、2020年1月9日付で権利変換計画の許認可を受けている。
計画では、ファッショナブルな生活文化を創造する商業空間の形成を目指す“原宿・表参道エリア”で、地下3階・地上10階建て、延べ床面積約1万9890平方メートルの店舗や公共公益施設、鉄道用変電施設、駐車場などから成る新たなランドマークを建設。工期は2022年度の竣工を目指して、2020年11月に本体工事に着工し、設計・監理は日建設計、施工は清水建設が担当する。
外装・屋上デザインは、第13回ベネチアビエンナーレ国際建築展で金獅子賞を受賞した建築家・平田晃久氏が手掛け、表参道のケヤキ並木や緑豊かな神宮の森、洗練された表参道の街並みなど、自然と人工の多種多様な要素が共存する新しい都市を表現する。
外装のコンセプトは「KNIT DESIGN(まちを編む)」で、原宿・表参道という街を意識し、古と新、外と内との融合など、共存しながら未来につなげる街づくりをイメージ。ガラスの外装は2つのエリアに分かれ、凹凸面の“umi”エリアでは、季節ごとに移りゆく街並みや空、街を行き来する人、ケヤキ並木の緑など、「まち」の姿がガラス面に映し込む。
一方で、フラット面の“shima”エリアは、建物内部の「みせ」が発信する賑(にぎ)わいを創出し、新しいモノづくりや体験の場を発信。施設全体がまちとみせそれぞれの反射により混ざり合い、ひと・みどり・街並みなど、この街特有のさまざまなものがまちを編む込むニットのように絡み合い、共存する姿を表現する。また、ガラスファサードは、熱負荷低減に効果のあるガラスを採用し、現代的でシャープなデザイン性だけではなく、環境面にも配慮している。
東急不動産では、「渋谷」駅を中心とするエリア一体を「広域渋谷圏」と定め、都市開発の重要拠点として位置付けている。2019年3月にはオフィスビルの「渋谷ソラスタ」、同年10月には複合施設の「渋谷フクラス」が竣工。現在も、2023年の完成を目標に、職・住・遊が一体となる「渋谷駅桜丘口地区」の再開発を進めている。
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