評定取得でT−EAGLE杭工法が中層建築物にも適用可能に:産業動向
大成建設とシステム計測が、共同開発した大口径多段拡径場所打ちコンクリート杭工法「T−EAGLE杭工法」が、ベターリビングの評定取得により、中層建築物にも適用できるようになった。今後、工期短縮などに役立つT−EAGLE杭工法を高層建築物と中層建築物に適用し、施工の効率化などを進めていく。
大成建設は、システム計測と共同で、大口径多段拡径場所打ちコンクリート杭工法「T−EAGLE杭工法」で、ベターリビングの評定「CBL FP012-19号」を取得した。評定を得たことで、超高層建築物でのみ使用されていたT−EAGLE杭工法を中層建築物にも適用することが可能となった。
T−EAGLE杭工法は、杭の施工法を対象として2019年1月にベターリビングの建設技術審査証明を取得し、超高層建築物への適用できるようになった。
今回、同工法の適用範囲を拡大するため、杭の引き抜き抵抗力と鉛直支持力に関して詳細な実験と解析を進め、合理的な評価手法を確立。
新評価手法を基に、建築基準法への適合性審査を実施し、CBL FP012-19号を2020年3月に取得した。
CBL FP012-19号を獲得し、高さに対して幅が狭いマンションなど高さ40メートル程度の中層建築物にもT−EAGLE杭工法の適用が可能になった。
同工法の特徴は、杭の引き抜き抵抗力を増加させるため、従来の場所打ち杭工法より拡径角度を5割程度拡げて杭径を約2割縮小し、杭長を2割程度短くした設計を実現。結果、杭径の縮小により建物外周部に杭を設置でき、敷地面積の有効活用を後押しする。
さらに、杭の鉛直支持力は、中間拡径部と拡底部の直径を最大径5.5メートまで拡げることで、杭1本当たりの鉛直支持力を長期荷重で従来の拡底杭と比較して1.9倍以上となる100MN(メガニュートン)以上まで向上させている。結果、従来の拡底杭を2本設ける場合と比べて、杭1本当たりの掘削土量を約3割削減し、工期を約3割短縮する。
今後、都市部などで計画される中層から超高層までの幅広い建築物の基礎工事に、合理的な施工法としてT−EAGLE杭工法を提案していく。
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