戸田建設が米国で不動産事業を本格化、足掛かりとなるオフィスビル取得:業界動向
戸田建設は米カリフォルニア州アーバイン市で、同国内での不動産事業を本格展開する第1弾となるオフィスビルを取得した。
戸田建設は2020年8月、100%子会社でアメリカで不動産事業を行う「アメリカ戸田建設」を通じ、カリフォルニア州アーバイン市に所在するオフィスビル「111 Pacifica(111 パシフィカ)」を取得したと明らかにした。
アーバイン市は、全米第2の都市であるロサンゼルス市の中心街から南東約65キロに位置する。全米最大の大規模な総合的かつ複合的な都市開発計画に基づき、住宅、商業、産業団地、教育機関、研究開発施設、公共・文化施設、レクリエーション施設などが計画的に配置された「マスタープラン・コミュニティー」の一つとして知られ、治安の良さや教育水準の高さ、ビジネスや生活面での環境の良さからも有名であり、海外を含め、州内外から人々が流入し、成長を続けている州内でも有数の都市。
取得した物件自体は、現地の不動産関係者の間でも、好立地として認識されている“スペクトラム・トライアングル”と呼ばれる総面積が約2キロ平方メートルのエリア内にある限られたオフィスビルの1棟。希少性が高く、既存テナントの継続入居だけでなく、多種多様な企業の新規誘致も期待できる。
アメリカ戸田建設は、米国で30年に及ぶオフィスビル運営の知見を生かした不動産事業の本格化を図るための第1弾として、本物件を位置付けており、サンフランシスコ市で運営する「600 Townsend」と併せ、今後も高品質なオフィス空間を提供していくとしている。
111 Pacificaの概要は、竣工年が1989年で、S造・地上3階建て、賃貸面積は約6400平方メートル。テナント数は15社。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 産業動向:戸田建設が旧本社ビル解体工事の建機にGTL燃料を採用
戸田建設は、軽油代替燃料「GTL燃料」を建機に使用することで、CO2排出量の削減を進めている。 - 導入事例:戸田建設と逗子市「地方連携型ワーケーション」の共同実証を開始
戸田建設は、逗子市と共同で地方連携型ワーケーションの実証実験を開始する。都市部の人口集中が進むなか、「地方創生」「官民連携」をキーワードに、会社以外の地方でも働ける環境づくりを目指す。 - 新工法:コンクリートの初期強度を高める新工法、戸田建設
戸田建設は太平洋マテリアルとともに、覆工コンクリート作業でコンクリートの打ち込み後に、短時間で型枠が取り外せる新工法を開発した。 - ロボット:建材の自動搬送ロボがエレベーターと連動し上下階の揚重を実現、戸田建設
戸田建設は、水平自動搬送システムに工事用エレベーター(EV)を連動させた垂直・水平自動搬送システムを開発した。これまで運用してきた水平搬送AGV(Automated Guided Vehicle)「T-CART(ティーカート)1000」による建築資機材の同一階への自動搬送に加え、上下階の揚重も自動化することで、建設現場での搬送作業の省力化が見込める。 - 新建材:CO2排出量を65%削減する低炭素型コンクリ、建材の性能証明を取得
戸田建設と西松建設は、製鉄所の副産物である高炉スラグ微粉末をセメントの代替材料とした低炭素型のコンクリート「スラグリート」を開発した。このほど、日本建築総合試験所で建材としての技術性能が証明されたことで、両社は二酸化炭素の主たる排出源となっているセメント使用量を低減できるメリットを生かし、建設分野での適用をさらに進めていく。