フジタの建設現場でドローンの安全確認・警備監視を実験、将来は“完全自動化”も:ドローン
ドローンソリューションを提供するセンシンロボティクスは2019年4月8日、フジタと協力し、ドローンを活用した建設現場における安全確認・警備監視の実証実験を行った。
ドローンソリューションを提供するセンシンロボティクスは2019年4月8日、フジタと協力し、ドローンを活用した建設現場における安全確認・警備監視の実証実験を行った。航空法の将来の規制緩和を見越し、完全自動運用型ドローンシステム「SENSYN DRONE HUB(センシンドローンハブ、以下HUB)」のスケジューリング機能により、作業員を現場に介在させることなく離陸から着陸までのミッションを自動化させられることを確認した。
現場監視ドローンの無人運用も技術的に可能
HUBは、ドローン本体、離着陸/充電基地、制御ソフトウェア、業務アプリケーションで構成する。顧客業務自動化統合プラットフォーム「SENSYN FLIGHT CORE(センシンフライトコア)」や「SENSYN DC(センシンドローンコミュニケーションサービス)」と機能連携することで定時刻にミッションを繰り返し行うスケジューリング機能や遠隔地からのカメラ操作機能も追加できる。大規模な工場の警備監視や設備点検などでの使用を想定しており、作業員の省力化や作業効率の向上、安全な業務を助ける。
今回の実証実験は2019年2月28日〜3月8日の期間、北陸新幹線車両基地工事現場(福井県敦賀市)で実施した。HUBが建設現場の安全確認・警備監視の用途で使用できるかを確認するため、ハッチ開閉、自動離着陸、自動充電、データ転送の4つの基本機能を試した。システムの挙動と映像などのデータ精度を調べ、実用性を確認した。
さらに将来、航空法に基づく目視外飛行の規制要件が緩和されることを見越し、スケジューリング機能(飛行ミッション予約機能)による定時刻ごとの完全な自動飛行も検証した。決められた時刻になると人手を介さずドローンが離陸し、事前にシステム上で指定したルート通り正確に飛行した後、着陸した。検証はオペレーターの目視内で行ったが、ドローンの無人運用を実現させる必要な機能を備えていることを実証した。
フジタは約1年前、現場巡回を全自動ドローンで実施することを構想した。自動離着陸/充電機能を開発している複数社にヒアリングした結果、最も実現可能性が高いと認めたセンシンロボティクスとの検証を決めた。同社の担当者は「今後も実証実験を繰り返し、実用化が進むことを期待している」と話している。センシンロボティクスはフジタからのフィードバックを受け、「より現場ニーズに即した機能開発を継続していく」と述べる。
センシンロボティクスでは、顧客がドローン本体を所有、維持、更新することなくサービスとして利用できるDaas(Drone as a Service)の基盤構築を事業構想として標ぼうしている。
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