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リモート型設備点検の効果と3密回避システムの全貌人とテクノロジーの連携で実現するFMソリューション(2/2 ページ)

ウフルは、現場への移動時間や紙と口頭での報告といった巡回型の設備点検が抱える課題を解消するリモート型設備点検の普及を進めている。また、新型コロナウイルス対策に役立つ3密回避システムの開発にも着手している。

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自動化達成率90%の標準モデルを作成

 セミナー後半では、設備点検システムの活用事例として、石油化学・素材系メーカーのケースに触れた。加えて、新型コロナウイルス対策となる3密(密集・密接・密閉)回避システムの効果を調べるために、和歌山県西牟婁郡にある南紀白浜空港で実施予定の実証実験も紹介した。

 石油化学・素材系メーカーでは、工場内に点在する6棟の研究棟で、常時数百を超える研究が進行している。従来、数十人のメンバーが、事故や火災につながる工程に注意しつつ、終業点検として、実験機器の異常や電源の切り忘れを確認していた。

 終業点検業務の時間短縮と負担軽減を目的に、設備点検システムを採用。設備点検システムを導入するにあたり、既存の実験機器に極力手を加えないことを目標に掲げた。

 設備点検システムを組み込むまでの手順は、まず、ウフルのスタッフが現地を視察調査し、IoTによる点検方法を検討して、センサーを選定後、ネットワーク設計を実施した。延べ床面積約7300平方メートルの新研究棟で、自動化達成率90%に及ぶ終業点検の標準モデルを作成。現在、点検で必要な確認画面のデザインを開発している。

 一方、南紀白浜空港では、新型コロナウイルスの影響による売上の減少や観光客の激減を抑えるため、3密回避システムの導入を見据えた実証試験を行う。新型コロナウイルス対策システムは、センサーで収集した情報から密集状態を分析し、適切なタイミングで換気やソーシャルディスタンス確保のアナウンスを進められる。

 実証試験で構築する3密回避システムは、南紀白浜空港の2階出発ロビーと搭乗待合室にセンサーを配置し、Co2や騒音、eTVOCのデータを集める。収集したデータを基に、密集状況を施設内のサイネージに表示する他、従業員が所有するスマートフォンへ通知し、SNSで利用者に情報発信もする見込みだ。


南紀白浜空港(上)とセンサーの設置箇所(下)

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