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【BAS徹底解剖】BAS/BEMSの広がり〜人々の安心・安全、利便性への貢献〜アズビルが解き明かす「BAS」解体新書!(3)(1/3 ページ)

建物には、空調、照明、監視カメラなど、さまざまな設備機器が導入されている。それらを効果的に運用するシステムとして、ビルディングオートメーションシステム(Building Automation System、BAS)が存在する。本連載では、制御・計測機器メーカーで各種ビル設備サービスを展開するアズビルが、「建物の頭脳」ともいえるBASやシステムを活用したエネルギー管理システム「BEMS」を紹介し、今後の可能性についても解説する。第3回目は、BASが建物利用者に提供する安心・安全、利便性について紹介していく。

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 本連載の第1回では、BASを中心にBEMSも含めたビルシステムの全体像について、第2回ではBEMSのクラウド化について紹介しました。

 第3回の本稿では、BASが建物利用者(居住者、管理者、来訪者など)に提供する安心・安全、利便性について解説します。

■BASによる安心・安全の提供

 建物内で「安心・安全」を提供する手段として、古くから警備員による定期的な見回りをはじめ、重要な部屋やエリアの入り口を施錠して、その鍵の貸し出しと返却を管理する業務などがありました。これらを行う管理者の負荷を軽減するため、1980年代後半からBASは、以下のような防犯に関する機能を追加してきました。

(1)防犯センサーによる侵入検知

→建物内の要所に防犯センサーを設置し、休日や夜間の人の侵入を自動的に検知して中央監視室に通知します。警備員による「人的警備」に対して「機械警備」と呼ばれます。


設置場所や目的に応じてさまざまな種類がある防犯センサー 出典:竹中エンジニアリング

(2)キーボックスによる鍵の管理

 かつては鍵の貸し出しを手書きの台帳で管理していましたが、管理者、利用者双方の手間となっていました。古くは磁気カード、現在は非接触ICカードに対応したキーボックスの登場により、無人で貸し出しをして返却を行い、借りた人や時刻を自動的に記録することができるようになりました。


ICカードをかざし、自分の鍵を取り出す非接触ICカード対応キーボックス 出典:アズビル

■ICカードによる入退室管理システム


ICカードをかざして解錠する非接触ICカードによる入退室管理システム 出典:アズビル

 近年では、鍵を使わず利用者が持つICカードで個人を認証し、部屋の出入りを行うことが一般的になっています。特定の部屋やエリアに対する出入りを人や時間帯などの条件に応じて制限し、またその履歴を管理する機能を持つシステムを「入退室管理システム」と呼びます。

 入退室管理システムは、かつては研究所やデータセンターなど高いセキュリティ性の求められる施設に導入される特別なシステムでしたが、現在では一般オフィス、商業施設、病院、庁舎など、多くの施設において必要とされ、BASの一部として導入されるケースが多くなっています。その背景には、防犯対策に加えて、個人情報漏洩(ろうえい)対策やさまざまな法規制に対応するための組織としてのニーズがあります。

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