既存住宅の省エネ化や地域の活性化などを実現した7つのFM施策:JFMA賞2020「神奈川県住宅供給公社編(下)」(1/5 ページ)
神奈川県住宅供給公社は、賃貸住宅の開発だけでなく、既存住宅や周辺環境を改善する取り組みも進めている。後編では、高齢者の介護認定率を下げたり、エネルギー効率を高めたりなど、7つのFMによる解決策を紹介する。
日本ファシリティマネジメント協会(JFMA)は2020年2月19〜21日、東京都江戸川区のタワーホール船堀で、第14回 日本ファシリティマネジメント大会「ファシリティマネジメント フォーラム 2020」を開催した。
会期中のセッションのうち、神奈川県住宅供給公社 理事長 猪股篤雄氏が行ったセミナー「持続可能な社会構築のための広域FM」を取り上げる。
FMで地域を活性化
講演の後半では、神奈川県住宅供給公社が取り組む開発した住宅周囲の創生や住民、社会、環境に貢献する事業が紹介された。事例として、中井町と賃貸マンション「フロール横浜山手」や「アンレーベ横浜星川」、「フロール新川崎」、浦賀団地、、若葉台団地、相武台、二宮団地のケースが挙げられた。
間伐材を内装材に活用
神奈川県足柄上郡に位置する中井町では2014年4月に、神奈川県や中井町、民間事業者と提携し、大規模メガソーラー発電所の開発が行われた。神奈川県住宅供給公社が所有する14ヘクタールの土地に太陽電池パネル4万枚を敷設し、一般家庭2870世帯分の年間使用電力を発電することを成し遂げた。
所有地が森林だったこともあり、工事の際に樹木を伐採したが、それらの木は木材として加工して、横浜市内にある共同住宅の建て替え物件の内装材などに有効活用された。建て替え後、共同住宅はフロール横浜山手という名称で運営されている。
前編:
莫大な負債からの再起をFMで、神奈川県住宅供給公社が明かす賃貸住宅の“有機的”なワークフロー
猪股氏は、神奈川県住宅供給公社が、1991年のバブル経済崩壊を機に、経営が立ち行かなくなり、多額の負債を抱えた事態から、再起をかけて、導入したFMを解説した。
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