アズビルがIoT時代に提案する次世代のオープンな「ビルディングオートメーションシステム」:住宅・ビル・施設Week 2018
アズビルは「第3回 スマートビルディングEXPO」に出展し、建物経営に関してライフサイクルで価値提供するビルディングオートメーション商品を出品した。新製品では、IoT、AI、ビッグデータなど先進技術を融合させた省エネ・省CO2を実現する次世代のビルディングオートメーションシステムなどを提案。
アズビルは「第3回 スマートビルディングEXPO」(「住宅・ビル・施設Week 2018」内、2018年12月12〜14日、東京ビッグサイト)に出展。「高層ビルから工場、住宅まで、アズビル×IoTがつなげる未来の都市・建物」をコンセプトに、azbilグループの幅広いラインアップを展示した。
オフィスビルから街全体までカバーする新BASとは?
ブースは企画・設計/建設、運営・管理、更新・改修の各ゾーンに分かれ、IoT、AIなどの最新テクノロジーを融合した機器、システム、ソリューションを訴求。企画・設計/建設ゾーンでは、最新ビルディングオートメーション(BA)テクノロジーを駆使し、未来に向けた建物作りを支援する機器、システム、ソリューションを紹介。運営・管理ゾーンでは、ICTを高度活用したサービスインフラで建物価値の向上を継続的に支援するソリューション、更新・改修ゾーンではBEMSを活用したエネルギー変革時代に応じるトータルな提案を行った。
新製品では、IoT時代に対応した新BAシステム「savic-netG5」を展示。savic-netG5は、オフィスビルから、地域冷暖房プラント、さらには街全体の規模まで、各種設備の統合監視・制御をサポートする最新のビルディングオートメーションシステム。
ユーザビリティ―にこだわり開発したシステムとして、さまざまなレベルのユーザーの利用を想定したユーザーインタフェースを採用。知りたい情報に素早くアクセスでき、管理者の作業を最適化させる。設備機器のスケジュールや運転プログラムの変更を運用変化に合わせて自由に設定・変更することが可能だ。また、ダブレットでの運用にも対応している。
空調熱源装置、空気/水搬送装置、室内環境、電気・照明設備の省エネ化に貢献する他、ビル管理を効率化させるクラウドサービスも用意されており、熱源の最適運転支援や空調負荷・電力消費の予測などが実現する。専用のハードウェアやソフトウェアの購入が不要のため、イニシャルコストを抑えられる利点もある。クラウドのため、アクセス場所や端末を選ばず、ビルオーナー、ビル管理者、テナントなど、多様なユーザーの利用形態に応じる。
また、BACnetやModbusを利用したオープンシステムのため、他社のサブシステムにも対応し、多様な機器・設備のデータを集中管理して、運転状況やエネルギー消費状況を分析することが可能だ。
担当者は、「海外で先行して2017年に販売を開始し、国内では既に中〜大規模ビル、延べ床面積にして5000〜1万m2(平方メートル)で導入されている」と話す。
ブースでは他に、近年重要度が増すBAシステムへのセキュリティ対策の参考出品もあった。マルウェアなどの攻撃を完全に防ぎたいニーズに応え、管理運用面の対策とともに、PCの幹線やネットワーク攻撃端末など、さまざまなケースを考慮してリスクに合った防御策を提供する。
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