前田建設アワードの特別賞に、第3の新型コロナ検査法などが受賞:第1回 ICI INNOVATION AWARDS Live Vol.2(2/2 ページ)
前田建設工業 ICI総合センターが主催した社会的な課題の解決が図れるアイデアを評価するコンペティション「第1回 ICI INNOVATION AWARDS Live」で、特別賞に医療系ベンチャーのリンクバイオとITベンチャーのレスティルが選出された。
チャット機能を分析し公共サービスの構築に活用
レスティルは、「狭域商圏ECプラットフォームを活用した 地域コミュニティービジネス」を主題に、EC&デリバリープラットフォーム「posket」で、地域小売店を活性化させるアイデアを提案した。はじめに、担当者は、「地元を商圏とする小売店が、新型コロナウイルスの影響で衰退しており、posketを用いて、売り上げアップを図ってほしい」と語った。
posketは、店舗利用者が専用アプリをダウンロードすることで、現在地から半径5キロ内にあるposketに登録した小売店の検索や商品の注文が行える。店舗側は、ポスケットの専用アプリで、商品の受注や店から半径5キロ以内にいるポスケットのユーザーに広告を発信することが可能。
チャット機能も搭載しており、店舗利用者が店側と相談しながら、買い物を楽しめるとともに、posketを使用する友人や知人ともやりとりが進められる。「チャット機能などにより、地域の店舗や住民で構成されるコミュニティーが創出されることを期待している」(担当者)。
同社では、専用宅配ボックスを貸し出しして、自宅不在時における商品の受け取りもサポートする。専用宅配ボックスは、専用アプリ上の操作で解錠し、商品を取り出せる。主な収益は、posketのサービス利用手数料や広告収入、専用宅配ボックスのレンタル料を想定している。サービス利用手数料は、アマゾンや楽天などのECサイトと同様に、1回の注文ごとにマージンを徴収し、専用宅配ボックスは将来的に無料で貸与する見通しだ。
また、前田建設工業が取り組む自治体との連携で、posketを効果的に使う方法にも触れた。作業手順は、posketのチャット機能で収集した住民の声をICI総合センターの技術で分析し、解析したデータに基づき、公共サービスなどを手掛け、住民の満足度を高める。
ICI総合センターへの要望として、同社は、posketを用いた自治体向け事業の共創やposketの社会実装で必要なAI分析技術の開発への協力、posket事業化を見越した資金調達の支援を挙げている。
今後のロードマップは、2020年9月にposketのサービスを地域限定で投入するとともに、ICI総合センターと共同でAIによるチャット分析技術の開発を始める。2021年1月には地域を拡大し、posketのサービスを導入して、2021年3月には自治体の事業でposketのサービスを活用することを構想している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ゼネコン各社の“新型コロナ対応策”・清水・大林・鹿島ら現場を大型連休後まで原則閉所、竹中も方針表明
清水建設が政府の緊急事態宣言で対象地域が拡大された影響を受け、13都道府県の建設現場を宣言終了まで閉所することを決めた。この動きに呼応する形で、スーパーゼネコン3社をはじめ、建設業各社でも、現場を閉じる対策が拡大している。 - 建設現場での“コロナウイルス”対応法を発表、国交省
新型コロナウイルス感染症の影響が建設業界にも広がっている。国土交通省は千葉県や熊本県内の施工現場で、感染者が作業していたことを受け、自治体と業界団体などに向けて新たな対応方法を示し、対策を講じるように要望した。 - 国交省が2020年度版の遠隔臨場試行方針を策定、新型コロナ対策にも有効
新型コロナウイルス対策として、遠隔臨場に業界から関心が集まっている。理由は、ウェアラブルカメラを作業員に装着させ、取得した情報で現場の状況を管理者が確かめられるため、3密(密閉・密集・密接)の回避に役立つからだ。遠隔臨場の効果に着目し、現場での早期導入に向け、新たな方針をまとめた。 - 新型コロナが建設業の採用活動に与える影響を緊急調査、人材確保の好機とみる中小も
新型コロナウイルス感染拡大を防ぐために、全業種で「3密(密閉・密集・密接)」を避ける取り組みが進む中、アーキベースの調査により、テレビ会議システムなどを用いて、多くの会社が採用活動を行っていることが明らかになった。