ゼネコン各社の“新型コロナ対応策”・清水・大林・鹿島ら現場を大型連休後まで原則閉所、竹中も方針表明:業界動向(1/3 ページ)
清水建設が政府の緊急事態宣言で対象地域が拡大された影響を受け、13都道府県の建設現場を宣言終了まで閉所することを決めた。この動きに呼応する形で、スーパーゼネコン3社をはじめ、建設業各社でも、現場を閉じる対策が拡大している。
清水建設は2020年4月13日、東京都内の同一作業所で新型コロナウイルスの感染者が3人罹患(りかん)したことを受け、“新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言”終了までの期間、同日時点の対象地域(東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、兵庫、福岡)で現場を閉めることを公表した。
4月17日には、政府が4月16日に対象地域を全国に拡大したことに伴い、北海道、茨城、石川、岐阜、愛知、京都を加えた13都道府県を感染拡大防止を重点的に進める「特定警戒都道府県」に指定。関係者と協議の上、原則として、5月6日まで予定されている宣言終了まで、閉所する方針を固めた。
スーパーゼネコンの1社が新型コロナウイルスに対する厳格な措置を示したことで、大手・準大手ゼネコン各社でも全国の工事現場を閉所する動きが広がった。新型コロナの対策が進む一方で、工事中止に伴う末端の下請け会社に対する補償や日給月給制の多い職人への処遇など、今後の業界を支える部分に与える影響についてはどういった対応となるのか懸念が残る。また、これまで深刻化していた技術者や技能者の人手不足についても、雇用統計のデータでは2〜3月に求人倍率が減少に転じたように、収束後どういった形で表れるか注目される。
» P3:竹中工務店の発表を追記(2020年4月28日13時25分)
大林組「4月25日〜5月10日、一斉休業」
大手の中でも、先んじて対策を講じていた大林組は3月27日に、東京都知事からの要請を受けて、本社、東京本店、横浜支店、4月1日に新設した関東支店に加え、常設部門においては原則、工事事務所は可能な限り、テレワークとした。緊急事態宣言後には、対象地域を所管する本社、本・支店(東京本店、横浜支店、関東支店含む)、大阪本店(神戸支店、京都支店含む)、九州支店のオフィス部門も原則テレワークとした。
現場での施工は、原則として工事を継続するとしていたが、4月15日に対象7都府県とそれ以外の地域でも、対象期間は施工中断を前提に4月20日から発注者との協議に入った。
また、4月25日〜5月10日までの16日間は、全社で一斉休業することも決定している。
鹿島「期間中は全国の現場で閉所」
鹿島建設は4月17日、前日に関西地区の工事事務所に勤務する社員1人が、新型コロナウイルスに感染していることが判明。保健所からの指導に基づき、感染者の行動履歴を確認した結果、濃厚接触者は工事事務所の一部社員に限定されていることを確認した。当該の工事は翌4月17日から一時中止、また事務所内の消毒も行った。
4月16日に発効した緊急事態宣言の全国拡大に関しては、感染拡大防止と、クライアント、協力会社、グループ社員と家族の安全確保を目的に、全国の現場でも、発注者と調整を行い理解を得た上で、協力会社との協議が整った時点から5月6日まで閉所するとしている。しかし、緊急性の高い工事や作業時間に制約があるなど、特殊な事情のある工事は、継続する可能性も示唆している。
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大和ハウス「全国の現場を5月10日まで休工」
大手ハウスメーカーの大和ハウス工業は、「緊急事態宣言」を受け、2020年4月8日より、対象の7都府県にある26事業所を一時的に閉鎖し、全国の事業所へと拡大してきた。
しかし、同社社員でも感染者が複数人判明するなどしたため、全国の施工現場を対象に、可能な物件は2020年5月10日まで休工とすることを決めた。
同時に全国47都道府県を対象とする「緊急事態宣言」が発令さたことを受け、4月18日から5月6日まで、国内の全事業所(76事業所)を一時的に閉鎖する。
グループ企業のフジタは、緊急事態宣言の当該地域の工事現場については、原則施工を中断することを前提に、協議に入り、準備が整い次第、緊急事態宣言終了までの期間は工事を中断する。さらに、4月25日〜5月6日の12日間は一斉休業する。
戸田建設「4月29日〜5月6日全店休業」
戸田建設は4月15日に、同社や協力会社社員の感染防止及びこの感染症の拡大阻止を最優先事項と考え、5月6日まで、緊急事態宣言の対象地域で施工中の作業所を原則閉所することを発表。4月21日には、4月30日と5月1日を店社閉店とし、4月29日〜5月6日は全店を休業とすることを明らかにした。
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