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日鉄建材の道路関連事業と神鋼建材工業が事業統合、防護柵の製造は2拠点に集約:産業動向
公共投資の継続的な縮小や道路建設投資額の減額など、厳しい事業環境に対処するため、業界で事業統合が進んでいる。このほど、日鉄建材の道路関連事業と神鋼建材工業が事業統合することが明らかになった。
日本製鉄、日鉄建材、神戸製鋼所、神鋼建材工業の4社はこのほど、2021年4月1日をめどに日鉄建材の道路関連事業(防護柵、防音壁事業)と神鋼建材工業を事業統合することについて、基本合意した。
対象は、日鉄建材の道路関連事業と神鋼建材工業の全事業とし、統合方式は、日鉄建材を吸収分割会社に、神鋼建材工業を吸収分割承継会社とする吸収分割をベースに、最終契約で決定する。出資比率は、日鉄建材が65%で、神戸製鋼所は35%。統合会社は日鉄建材の連結子会社になるとともに、神戸製鋼所の持分法適用関連会社として扱われる。
4社が今回の決断に踏み切った背景には、公共投資の継続的な縮小や道路建設投資額の減額、人口減少など、過酷な事業環境がある。厳しい状況を考慮し、日本製鉄、日鉄建材、神戸製鋼所、神鋼建材工業の4社は、協議を重ね、日鉄建材と神鋼建材工業の両社が有する経営資源をまとめ、道路関連事業の競争力強化を図るという結論に至った。
統合後、営業拠点(本社と支店)の集約により経営のスリム化を図るとともに、従業員の作業効率を高める。また、防護柵の製造は、日鉄建材が有する野木製造所と、神鋼建材工業が保有する尼崎工場の2拠点で行い、合理的な生産体制を構築する。製造拠点を2拠点に限定するため、日鉄建材が運営する大阪製造所の防護柵製造設備は、2023年に稼働を休止する見込みだ。
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