0.3秒で照合するAI顔認証の提供開始、アズビルとJCVが提携: AI
アズビルは、BAS(ビルオートメーションシステム)の新たな付加サービスとして、日本コンピュータビジョンの顔認証システムを提供する。AIの顔認証では、カードやパスワードが不要かつ0.3秒で本人照合するため、ウォークスルーでの建物の入退場が可能になる。
アズビルは、ソフトバンクの子会社日本コンピュータビジョンと、顔認証システムにかかる事業提携のための基本契約を締結した。合意により、アズビルは、2020年4月21日から、国内向けに顔認証システムを入退室管理システムと組み合わせて販売を開始し、保守サービスも行う。
なりすましを防ぐ、高精度なAI認証
今回の提携理由についてアズビルは、近年、働き方改革の流れで社員の入退室履歴など、顔認証、指静脈認証などの生体認証が身近になっていることを受け、時代のニーズに合わせた提案をしていくためとしている。
日本コンピュータビジョンが提供する顔認証システムは、AIを活用し、認証性の高さ、0.3秒以内の高速照合、顔写真での登録が可能などの特長がある。顔認証機能をアズビルの入退室管理システムに加えることで、鍵やICカード、スマートロックのパスワード設定などがいずれも不要となり、入退室制御のハンズフリーが実現する。利用者がゲートの前を立ち止まることなく認証するため、入退場がスムーズになり、機器に触れることも無いので、衛生面でも安全性が確保される。
AIの識別は、暗い場所(照度0.5ルクス、月明り程度)やマスク、メガネなどの着用時の本人認証にも対応。印刷物や写真も含め、生きた人間かを検知するため、なりすましを防止する。
顔認証のデバイスは、専用の「SensePass2」で、ゲートやドアへ簡単に装着することができる。
顔認証の基幹としてアズビルが合わせて提案する入退管理システムは、ビル管理システムと統合した「savic-netFX2 セキュリティ」やゲート数の少ないビルやテナント向けのコンパクトな入退室管理システム「savic-ssEZ」が想定されている。
アズビルでは今後、新築や既設の建物での豊富な実績や充実した保守体制を生かし、今後オフィスビルなどに顔認証端末を積極的に提案し、年間500台の販売を目指す。
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