建設技術者の仕事への満足度と転職意識に関するアンケート調査の結果vol.2:建設業の人材動向レポート(19)(2/2 ページ)
本連載では、ヒューマンタッチ総研が独自に調査した建設業における人材動向をさまざまな観点からレポートしている。今回は、2020年1月に総研が実施した「建設技術者の仕事への満足度と転職意識に関するアンケート調査」から、定年年齢や定年後の働き方についての調査結果を紹介する。
■70歳定年制を「歓迎する」と回答した人の比率は36.6%
「70歳定年制についてどのように感じますか」という質問に対して、「歓迎する」と回答した人の比率は36.6%で「歓迎できない」の19.8%を16.8ポイント上回った(図表5)。
全体としては70歳定年について肯定的な考えをしている建設技術者の方が多いといえそうだが、「どちらともいえない」が43.7%にも上ることから、態度を決めかねている人が多いことも注意しておく必要がある。
■50歳代では5割が70歳定年制を歓迎
年齢層別に「歓迎する」と回答した人の比率を見ると、最も比率が高いのは50歳代の51.9%であり、50歳代では半数が70歳定年制を肯定的に受け取っている(図表6)。逆に、20歳代では16.7%、30歳代では25.8%となり、若い世代ほど肯定的に受け取っている人が少ないという結果になった。
■7割が70歳まで働くことに対する“不安”を抱く
「70歳まで今の会社で働くことに対する不安はありますか?」という質問に対して、73.2%が「ある」と回答しており、不安を抱いている人は多くなっている(図表7)。「どのような不安を感じていますか」という質問に対する回答を見ると、最も多いのが「体力に対する不安」で38.9%。次いで「働くモチベーションに対する不安」「納得できる収入が得られるかどうかに対する不安」が21.5%となった(図表8)。
70歳定年制に対応して、シニア人材の能力を最大限に発揮してもらうためには、これらの不安に対応できる就業環境の整備を戦略的に進めていくことが重要になると考えられる。
<調査の概要>
調査時期:2020年1月
調査対象:ヒューマンタッチに登録している建設技術者
調査手法:インターネットによるアンケート調査
アンケート回収数:411人
75%年齢層 | 回答者数(人) | 構成比 |
---|---|---|
10代 | 0 | 0.0% |
20代 | 24 | 5.9% |
30代 | 97 | 23.7% |
40代 | 142 | 34.6% |
50代 | 108 | 26.3% |
60代以上 | 39 | 9.5% |
著者Profile
ヒューマンタッチ総研(所長:高本和幸)
ヒューマンタッチ総研は、ヒューマンホールディングスの事業子会社で、人材紹介事業を行うヒューマンタッチが運営する建設業界に特化した人材動向/市場動向/未来予測などの調査・分析を行うシンクタンク。独自調査レポートやマンスリーレポート、建設ICTの最新ソリューションを紹介するセミナーなど、建設業界に関わるさまざまな情報発信を行っている。
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