組み立てと解体の作業時間を“60%に短縮”、新足場のリースと販売を開始:新工法
大林組とタカミヤは、道路橋の床版取り替え工事で、組み立てや解体作業の時間が6割に短縮する新しいタイプの足場を共同開発した。既に、中央自動車道の落合川橋補修工事で適用したという。
大林組とタカミヤは、組み立てや解体が容易な道路橋向け足場「クロスリンクステージ」を共同開発し、2020年3月18日にリース及び販売を開始した。
床版撤去後は、足場板を敷き並べるだけでケレン作業へ
国内の道路橋は、約半数が今後10年間で、建設から50年が経過するため、リニューアル工事が急務となっている。道路橋の床版取り替え工事は、道路の一部を通行止めにして行うため、古い床版の撤去から、桁フランジに付着した塗装やコンクリートの除去(ケレン作業)、新しい床版の設置までの一連の作業を計画期間内で確実に完了することが重要とされている。
床版の撤去からケレン作業に移行するには、床版撤去前に床版の下で作業や移動をするための足場に加え、撤去で生じた桁間の開口部に、ケレン作業をするための床となる足場を枠組みから組む。一連の作業では、定められた時間内に足場を組み立てなければならないが、部材の種類や数の多さに応じて組み立てに時間がかかり、作業が遅れた場合は次の工程にも影響が及んでいた。
そこで、大林組とタカミヤは、従来の足場材と、桁間の足場に特化した専用の部材を組み合わせ、組み立てや解体をシステム化した道路橋向け足場のクロスリンクステージを実用化させた。
新開発の足場であれば、利用する部材の総数も減り、組み立てがシステム化されているため、従来の足場に比べ、組み立てと解体の作業時間が約60%に短縮。専用部材で構成されているので、熟練の技能者だけでなく誰でも簡単に安全基準を満たした足場を構築することが可能になる。また、水平梁の部材は、伸縮可能なスライド構造を採用することで、桁間の寸法に制限されることが無い。
クロスリンクステージは、大林組が施工した「中央自動車道(特定更新等)柳樽川橋他9橋橋梁(きょうりょう)補修工事(岐阜県中津川市、発注者:中日本高速道路)」のうち、落合川橋(下り線)に適用され、有効性が確認された。
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