サイバーエージェントや大阪大らが遠隔操作ロボットで実演販売を実施:ロボット
サイバーエージェントや大阪大学は、ロボットによる接客や対話の自動化を目指した取り組みを進めている。
サイバーエージェントの研究開発組織「AI Lab」や大阪大学 大学院 基礎工学研究科、アルベログランデは2020年2月19日、共同で「遠隔操作ロボットによる実演販売実験」を行うことを発表した。場所は、大阪市が開催するIoT・ロボットビジネス実証実験支援プログラム「AIDOR エクスペリメンテーション」で、2020年2月29日と3月1日の2日間、大阪南港の複合商業施設「アジア太平洋トレードセンター(ATC)」で、実施した。
人とロボットの接客販売を比較
近年、労働力人口の減少や都市圏への人口集中を背景に、サービス業における人手不足が問題になっており、ロボットやAIの活用に期待が集まっている。また、業務効率化や自動化が進む一方で、働き方改革の1つとして遠隔勤務(リモートワーク/テレワーク)が注目されている。
こういった状況を踏まえ、3者は、大阪南港ATCで、卓上型コミュニケーションロボット「Sotaを使用した実演販売を自動化する実験を行う。実験では、大阪南港ATC内にポップアップショップを開設し、Sotaが店員となって商品を実演販売する。Sotaは遠隔操作に応じており、別の場所にいるスタッフがタブレットで操作し、Sotaを介して顧客と会話する。また、ロボットと人の販売を比較し、ロボットによる売り込みの効果を検証する。
今回の実験で、AI Labは、音声認識やロボット動作生成などの技術を生かし、操作者の能力を向上させる遠隔操作ロボットシステムを開発した。一連の遠隔操作ロボットによる接客と実演販売において、売上向上への貢献と働き手の遠隔勤務を容易にし、サービス利用者が満足できる質の高いサービスを提供可能か確かめる。
サイバーエージェントと大阪大学 大学院 基礎工学研究科では以前から、先端知能システム共同研究講座を発足し、ロボットなど対話エージェントによる接客対話の自動化や広告技術の確立などを目的とした研究研究を進めており、今回の実験もその一環として実施された。
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