5年後の建設現場はIoTとロボットでこう変わる、戸田建設が技術ビジョン
戸田建設が2023年に実現を目指す施工技術のビジョンを発表。IoTやロボットやロボットなどをフル活用し、飛躍的な生産性向上を目指すという。
戸田建設は2018年3月9日、2023年を想定した超高層建築工事における施工プロセス「トダ・イノベーション・サイト〜2023年の姿〜」を発表。ロボット技術や自動化技術、IoTなどを活用し、建設現場の飛躍的な生産性向上を目指すとしている。
同社は2016年12月に、「建設の未来像〜2030年の姿〜」と題する、長期の技術開発ビジョンを発表している。今回発表した高層は、このビジョンの実現に向け、直近の5年間で開発に注力する技術をまとめたものになる。
構想に織り込まれた施工技術は、大きく3つ。1つ目が部材の揚重から取り付けまで、一連の作業の自動化を目指す「地上構築技術」だ。施工BIMデータを活用し、3次元の位置データと工程の管理データを持つ鉄骨や外装材を、自動クレーンや無人搬送車(AGV)により所定の位置まで運び、ロボットで組み立てるという構想だ。
2つ目が、地上と比べて生産性が低い地下工事の効率化を目指す「地下構築技術」だ。現状、地下工事の生産性向上のボトルネックとなっている、基礎部の大型コンクリートの解体を可能にする技術などを開発し、効率化を図る。
3つ目は「ICT施工管理技術」だ。位置測位技術、ネットワーク技術、IoT、ドローンなどを活用し、現場の生産管理の効率を高める。
これらの技術は現状、超高層建築工事への導入を想定したものだが、今後は中小規模の建築物を対象とした構想もまとめていく方針。2023年までに各技術の実用化を目指し、全国の現場に積極的に展開していく方針だ。
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