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遠隔で被災地の情報収集、神奈川県のドローンモデル事業に採択:ドローン
アイネットは低高度で、人が足を運べない危険なエリアを飛行できるドローンの利点と、同社の撮影した映像および飛行情報をリアルタイムに配信するクラウド基盤を用いた事業の展開を進めている。
データセンタープロバイダーであるアイネットは2020年2月17日、神奈川県が募集する“ドローン社会の実現に向けたモデル事業”の災害対策課題に対応する「リアルタイム配信システムを利用した遠隔地からの災害現場などの情報収集事業」の実施者として採択されたことを発表した。
ドローン社会の実現に向けたモデル事業は、2019年8月にスタートしたプロジェクトで、ドローンのさらなる活用や県民の理解促進を図ることを目的に、候補が募集された。
アイネットは、ドローンがヘリコプターよりも低い高度で、危険な場所でも飛行して撮影が可能な点に着目し、地震や台風、火山活動などの自然災害で力を発揮すると見込み、応募した。
モデル事業では、ドローンで撮った映像と、フライトデータをリアルタイムに配信するアイネットが有するクラウドを用いた基盤を活用する。この基盤は、ブラウザで簡単に現場の状況が確かめられるとともに、同社のデータセンターで情報を蓄積し、分析することも可能だ。同社のドローンフィールドでこの基盤の効果を確認する実証実験も行っている。
モデル事業における実施内容は、神奈川県の各フィールドで、災害時を想定してリアルタイム配信システムの有効性を検証する予定だ。結果を踏まえて、将来的には災害現場の被災状況のチェックだけでなく、立入禁止区域での監視やライブ中継などに展開していく方針を示している。
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