「BIMを現場へ連れていけ」、“CheX”新機能はiPadでBIMモデルに自在書き込み:第4回 スマートビルディング EXPO(2/2 ページ)
スーパーゼネコンなどで導入が進むクラウド型図面共有システム「CheX」は、「BIMを現場に連れていけ」をコンセプトに、最新バージョンでBIMモデルをタブレット上で閲覧できる新機能を搭載した。
BIMモデルに直接メモや写真を添付
主な機能では、属性情報の参照はもとより、見たい部材や要素だけを絞り込む「フィルター機能」、QRコードから一発で指定した部材へジャンプする「QR機能」を備える。
また、図面同様にメモ機能も実装され、モデルの部材単位で色を付けられる他、指定箇所にマーカーを配置して、そこにテキスト入力やiPadのカメラで撮影した写真を添付することで、進捗管理に役立つ。誰かがメモを残した箇所には、変更履歴からモデル内を探すことなく、一瞬でたどり着ける。
データのセキュリティは、SSL証明書でインターネットを介する通信の全てに暗号化が施されている。図面を含め、CheX上に保存されたデータは、国内3カ所のサーバに分散して保存されるため、データ堅牢性が高くBCP強化に最適。
BIM以外で追加された機能は、XC-Gateとの連携で、従来はバラバラに管理していた「図面」と「Excel帳票」がひも付けされるようになった。2次元図面上に置いたピンからExcelへとダイレクトに飛ぶことができ、図面から帳票呼び出し、作成・編集・出力までが現場だけで完結する。現場から事務所に戻って、書類を作成する手間が削減され、機器メンテナンスや施設営繕・管理、現地調査などの業務時間の短縮がもたらされる。
YSLソリューションの担当者は、他の図面共有アプリとの違いについて、「図面を現場ですぐに閲覧できるという、パフォーマンスの高さが圧倒的に異なる。多様な機能が搭載されていても、動きが遅くて実用に耐えられないのでは意味がない。現場の技術者には、iPad自体を使いこなせないという人もいるため、機能を厳選し、1〜2回のタップで目的にたどり着ける簡易操作性をウリにしている。また、多くの社員を抱える大手建設会社では、個別でそれぞれに使い方を指導することは現実的では無いため、渡して即使えるCheXが支持されている」と話す。
BIM対応については、「2020年中に本格運用を開始する。BIMモデルが手軽に見られるようになれば、設計・施工だけでなく、その後のアフターメンテナンスでの業務効率化も見込める」。
今後の展開では、「インフラのメンテナンスでは、人手不足や省力化は重要な課題。AIを使った図面管理など、土木分野のニーズをくみ取っていきたい。地図機能は既に実装されているので、自治体の現場調査や災害時の復旧作業などでも、使い方はまだまだ広がるはずだ」と期待を寄せる。
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