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「淺間山噴火」でも導入、建機の機種を問わない遠隔操作の人型ロボ「KanaRobo」:第14期 第11回出展技術発表会(2/2 ページ)
建機に搭載して遠隔操作が可能になるカナモトの双腕双脚ロボット「KanaRobo」は、災害時の危険エリアでの復旧作業以外に、平常時の工事現場でも適用することで、省人化や省力化につながることが期待されている。
専用OS「V-Sido」でロボットを制御
一方でコントローラーは、「卓上リモコン」、実機の操縦席をカスタマイズしてバンに積める「コックピット型」、ゲームセンターの大型筐体にも似た建機の振動を伝える「バイラテラル型」、さらにVR酔いのため長時間の作業向きでは無かったものの「HMD(ヘッドマウントディスプレイ)」も用意している。
OSに関しては、KanaRoboの腹部にWindows PCが備え付けられ、その中に専用OS「V-Sido(ブシドー)」がインストールされている。V-Sidoは、ロボットの動作をリアルタイムに生成するための制御ソフトウェアで、シミュレーターとロボットをリアルタイムで同期させる。
主な機能では、ジョイスティックを利用したロボットの基本操縦、無線LANを通じた遠隔通信、ロボット本体に装着したジャイロセンサーによる建機の姿勢把握、操縦者の頭部に装着したジャイロセンサーでカメラのトラッキング、HMDを利用した2眼カメラ映像の3D表示が実装されている。
今後の開発方針について清水氏は、「現行機では、ロボットのWindowsOSにコンマ6〜7秒の遅延が生じている。このズレを解消して操作の精度を上げ、生産効率を向上させるとともに、通信距離も延伸していきたい」と展望を語った。
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