バスケットコート4面分を自動清掃するロボット、竹中ら4社がレンタル開始:ロボット
竹中工務店とカナモト、豊和工業、朝日機材の4社は、自動的に床を清掃する吸引型ロボット「AXキュイーン」を共同開発した。工事現場や閉店後の店舗、社員が退社した後のオフィスなどへの導入を想定して、2019年5月27日からレンタルを開始する。
竹中工務店とカナモト、豊和工業、朝日機材は、自動的に床を清掃する吸引型ロボット「AXキュイーン」を共同開発した。
四隅のカラーコーンで最大1600平方メートルの清掃範囲を認識
国内建設需要が増加しているなかで、建設技能労働者の不足は大きな課題となっており、1日の作業時間の約10%は清掃作業に費やされているという。
竹中工務店では、現場の清掃作業を効率化する目的で、2017年に岡谷鋼機と共同で、ごみをかき集める清掃ロボット「TOギャザー」を開発。今回、4社で開発したAXキュイーンは、TOギャザーで採用した清掃範囲の認識技術を用い、清掃可能な面積や清掃能力などのスペックアップを図っている。清掃方法も、吸引タイプとしたことで、適用できる場所が広がった。
自律走行型の掃除ロボットAXキュイーンは、床上にある清掃対象物を吸引する方式の清掃ロボット。操作手順は、まずカラーコーンタイプのセンサーマーカーを掃除を行う部屋の四隅に配置。ロボットの電源を入れると、搭載されているSICK製360度レーザーセンサーでセンサーマーカーの位置情報を読み取り、四角い清掃エリア内に移動経路を自動生成する。清掃場所の認識後は、本体の操作パネルで選択を押すと、勝手に掃除がスタートし、四角形の清掃領域内を吸引しながら渦巻き状に進む。
操作ボタンは1つで、シンプルな構造。範囲内に障害物がある場合は自動で停止し、運転中に前後左右から人が近づいても自動で止まる。
センサーマーカー同士は最大40メートルまで離すことができ、範囲を意図的に制限したり、広いスペースを複数回に分けたりするなど、さまざまな状況に対応できる。
掃除速度は、自動モードで毎時0.7キロ、手動で毎時3キロ。掃除能力は毎時637平方メートルで、連続駆動時間は2時間。最大掃除面積はバスケットコート4面分に相当する1600平方メートル。ごみ集積タンク容量は70リットルと十分な容量を確保している。本体サイズは長さ1330×幅910×高さ850ミリ、本体重量260キロ、清掃幅910ミリ。
4社は今後も改良を重ね、2019年5月27日をめどにレンタルを開始するという。
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