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ICT建機にも活用される準天頂衛星システム「みちびき」開発の道のり空間情報シンポジウム2019(2/2 ページ)

内閣府は、ICT建機などでも活用が見込める準天頂衛星「みちびき」の機能や効果について認知拡大を推進している。

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高仰角で、高精度な測位データを取得

 みちびきのシステムについて、成澤氏は、「ワークフローは、監視局で準天頂衛星からGNSSデータを受信し、その情報を基に、主管制局で測位信号を作る。作成した測位信号を追跡管制局から準天頂衛星にアップリンクし、ユーザーに測位データを提供する」と語った。


準天頂衛星システムみちびきの構成(4機体制) 

 機能としては、「衛星測位」「測位補強」「メッセージ」の3つのサービスを挙げた。衛星測位サービスはGPSの補完ができる。みちびきからGPSと同一周波数・時刻の測位信号を送信することで、GPSと一体となって使用し、高精度な測位が行え、マルチパスや衛星配置の測位による誤差の改善、測位結果の安定性向上に役立つ。


準天頂衛星の効果はマルチパスや衛星配置による測位誤差の改善

 「都市部などの建物が密集している環境では、仰角の低い衛星は遮断やマルチパスの影響を受けやすいが、みちびきは高仰角に配置できる衛星のため、安定して高精度の測位データの取得が行える」(成澤氏)。

 測位補強サービスはサブメートル級(SLAS)とセンチ級(CLAS)の2種類を備えている。SLASは、電離圏遅延などの誤差補正情報(サブメートル級測位補強情報:L1S信号)を送信することで、誤差を数メートルまで減らせる。

 CLASは、電子基準点から計算した高精度測位情報(センチメートル級測位補強情報:LS6信号)を送ることで、センチメートル級の測位が行える。


センチ級(左)とサブメートル級(右)のサービスエリアと測位精度

 メッセージサービスでは、災害機器管理通報と安否確認の2種類を紹介した。災害管理機器通報サービスは、気象庁の防災気象情報(地震・津波)などをみちびきから発信するもの。みちびきのサブメートル級測位補強信号と、同じ周波数帯で情報を送信するため、サブメートル対応受信機で情報が受け取れる。


災害危機管理通報サービスのイメージ

 安否確認サービスは、避難所にいる避難者の安否情報を収集し、準天頂衛星(静止衛星)を経由して、管制局に集め、自治体などの防災機関が避難所の状況を把握できる。 

 成澤氏は、「例えば、避難者が安否確認サービスに電話番号を登録することで、近親者がインターネットを利用して、その番号を調べられ、どの避難所にいるかを確かめられる。2018年11月11日にサービス開始後、和歌山県で行われた避難訓練で初めて実証試験を実施。2018年度には、公募で埼玉県、新潟県、静岡県、和歌山県、徳島県、香川県、高知県の7県に試行的に導入した」と報告した。

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