39年ぶり日本開催「ICC2019」レポ、準天頂衛星などGISの可能性を提示:GIS(1/4 ページ)
第29回国際地図学会議(ICC2019)が2019年7月15〜20日に、東京・江東区青海の4会場で開催され、GISデータを活用した測量会社らの新たなソリューションが提案された。
第29回国際地図学会議(International Cartographic Conference2019:ICC2019)が2019年7月15〜20日に、東京・江東区青海の日本科学未来館やテレコムセンター、東京国際交流館プラザ平成、都立産業技術研究センターで開催された。
ICCは、国際地図学協会が2年ごとに開催する地図学分野では最も歴史と権威のある国際会議で、1962年の第1回から数えると29回目を迎える。日本での開催は、1980年の第6回東京大会以来、39年ぶりとなった。
今回は「地図づくりを、誰にもどんな事にも!」をテーマに、会期中に世界約50カ国・地域より、国内外1000人以上の研究者が参加し、地図学(Cartography)や地理情報科学(GIScience)に関する幅広いテーマで研究を発表した他、展示会場では東方見聞録の頃や江戸時代の地図展示、GISを活用した新たなソリューションの実証実験や紹介も行われた。
準天頂衛星「みちびき」と連携したマイクロバスを運行
実証実験は、国産の衛星4機が打ち上げられた準天頂衛星システム「みちびき」のセンチ級/サブメートル級測位サービスを活用して、地上の移動体の軌跡を追う試みが衛星測位利用推進センターによって行われた。みちびきは、複数衛星のため測位精度の向上が見込め、GPSの補完・補強として、自動車ルートガイダンスによる渋滞緩和や無人航空機の物流事業支援、災害時の一般市民への通知など、幅広い活用が見込まれている。
実験での移動体は、青海周辺の4会場を周回させている無料マイクロバスと専用タクシー。GNSSアンテナを搭載しており、みちびきをはじめ、米GPS、欧州ガリレオとも通信して、会場間移動の軌跡を災害対策本部に見立てた都立産業技術研究センターのモニターでリアルタイム表示した。
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