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ジョンソンコントロールズが取り組む設備業務のIT化、“Azure”でBASの不具合を自動検知BAS(2/2 ページ)

ジョンソンコントロールズは、建設業界が将来直面する人手不足や技術継承といった課題に対して、AI・ICTを導入し、ビル設備の設計/計装/サービスの業務プロセスを標準化し、高い技術レベルの安定的な維持と、ワークスタイルの変革に取り組んでいる。

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独自アプリで、点検から見積もり提出まで時短を実現

 エンジニアに向けたIT導入では、iPad用のアプリを独自開発。点検から見積もり提出までの期間が短縮され、ペーパーレス化がもたらされた。現場で機器の故障が判明したら、事務所にその都度戻って見積もりを作成する今までのスタイルから脱却して、モバイル端末からQRコードを読み取り、サービスセンターに見積もり作成を依頼するだけで済むようになった。


スマートデバイスの活用

 また、同社のBAS(ビルオートメーションシステム)「METASYS」とROCをつなげ、空調システムの稼働データを集め、AI「Microsoft Azure」の機械学習を用いて連続的に分析。不具合を自動で検知するシステムを構築している。METASYSとAzureの連携は、現在のところ導入ビルの10%程度だというが、天井内に設置されているVAVユニットの点検が自動化されることで、稼働中に執務エリアに入る必要も無くなり、1.8倍の生産性向上が見込まれるという。さらにサービス業務では、2019年9月の会計年度までにRPA(Robotic Process Automation)を順次導入することも予定されている。


Microsoft Azureで、BASの不具合を自動で検知

 設計業務の標準化では、業務プロセスを再構築し、属人化していた作業をチームで共有して、負担を平準化。「Microsoft SharePoint」でプロセスに連動した情報を共有し進捗を見える化させた。設計量自体は数%ほど増えているが、生産性は25%アップし、残業時間の半減につながった。


設計業務プロセスの標準化と効率化

 吉田社長はIT導入の意図について、「一番の課題は人材不足。コスト削減が主ではなく、業務のキャパシティーを増やし、1人の社員ができることを増やすことが目的だ。しかし、(ビルの空調設備は、)ゼネコンやサブコンの仕様に合わせることも少なくないため、現実には標準化できない部分も残る。そこは、属人化していた業務を見える化することで、熟練エンジニアのノウハウを継承して解決を目指す。施工・サービス・設計でのこうした取り組みは、グローバルに先駆けた試み。日本からエンジニアの多いインドなどアジアへと発展させていきたい」と語った。

 今後は、外国人労働者やグローバル企業であるが故の海外リソースの活用といった「採用強化」をはじめ、テレワーク・サテライトオフィスの「ダイバーシティー促進」、デジタルトランスフォーメーションやエンジニアリング能力開発など「人財開発強化」の3本柱に注力していくという。


今後の展望

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