センシンロボティクスは、ドローンによる業務自動化統合プラットフォーム「SENSYN FLIGHT CORE」をアップデートし、構造物の壁面を撮影する機能などを拡充した。
壁面スキャンは2面以上の壁面撮影にも対応
SENSYN FLIGHT CORE(センシンフライトコア)は、ドローンによる業務を自動化するための統合プラットフォームで設備点検や災害対策、警備、監視などの用途で活用されている。簡単なフライト設定やフライトプラン/実績データの一元管理の他、複数機による同時飛行や、さまざまなメーカーのドローン機体への対応、無人航空機管制(UTM)との接続など、多くの機能を搭載している。
通常、ドローンの操縦と撮影には、オペレータに専門のスキルが必要とされる。特に建物などの壁面をはじめ、特定のスポットを撮影するためには、高い難度の経験が求められ、そうした経験値のあるドローンパイロットを確保する場合は、想定以上のコストが発生するケースも少なくない。
そこで今回のアップデートでは、「壁面スキャン」の機能を追加。さらに3Dルートを作成する「3Dウェイポイント」も搭載し、特別な技術がなくても直感的な操作だけでドローン飛行の設定を行うことが可能になった。
壁面スキャンは、倉庫や工場、マンションなどの壁面を対象にしたドローン撮影が簡単な設定だけで実現する。PCの画面上に表示された周辺の航空写真をベースに、撮影したい構造物の面を指定し、緯度・経度情報などを確認して飛行。単一の面だけでなく、複数面を1回のフライトで取得できるため撮影時間の短縮につながる。
3Dウェイポイントは、これまで平面マップ上で行ってきた飛行ルート設定を新たに3Dマップにも対応させた。壁面スキャンでは対応しきれない構造物に対しても、自動での撮影が可能になる。例えば巨大な立体構造物の画像を複数入手するケースなど、同一の箇所をさまざまな高さで撮影するようなシチュエーションのときに有効となる。
今回のアップデートを受け、センシンロボティクスでは、「FLIGHT COREを使用することで、特別な技術がなくても簡単にドローン飛行の設定を行うことが可能になる」とコメントしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- フジタの建設現場でドローンの安全確認・警備監視を実験、将来は“完全自動化”も
ドローンソリューションを提供するセンシンロボティクスは2019年4月8日、フジタと協力し、ドローンを活用した建設現場における安全確認・警備監視の実証実験を行った。 - ドローン撮影映像をリアルタイム共有、「SENSYN DC」がスマホやタブレットにも対応
センシンロボティクスは、これまでWindows版だけだったドローンのリアルタイム映像共有サービス「SENSYN DC(センシン ドローンコミュニケーションサービス)」をiOS/Android/Mac OSにも対応させ、スマートフォンやタブレットから複数人による映像共有ができるようになった。 - ドローンの全自動運用を実現する「SENSYN DRONE HUB」、ビル点検や被災現場などで活用
センシンロボティクスは、自動で離着陸が可能になる完全自動運用型ドローンシステム「SENSYN DRONE HUB(センシンドローンハブ)」の提供を開始した。同システムは、ドローン本体、自動離着陸・充電を行う基地、制御ソフトウェアなどを一体化させている。カメラを搭載することで、大規模な工場やビルの点検、災害現場での監視などを、効率的かつ安全に行うことができる。同社提供のソフトウェアと連携することで、簡単にフライトプランも設定できる。 - 飛行計画から点検報告書の作成までを自動化、“鉄塔”向けドローン点検サービスのβ版提供開始
センシンロボティクスは、“ドローンによる鉄塔点検”に特化した機体も含むパッケージソリューション「TOWER CHECK(タワーチェック)」のβ版提供を開始した。カメラを搭載したドローンを自動運行させて鉄塔を撮影し、撮影したデータはAIによる画像解析にかけて、錆や腐食の発生箇所を自動検知。その後の報告書作成まで、一気通貫のドローン点検業務がTOWER CHECKにより自動化される。正式なリリースは年明け以降となる見通し。