大煌工業、極東開発工業、大林道路の3社は、ダンプトラックのボディーに計量装置を搭載し、積載重量を表示する「スケールダンプ」を開発した。
積載物の重量を表示し、定積載での安全運行をサポート
近年、ダンプトラックの“過積載”が取り締まり対象として強化される中、多くの建設会社ではコンプライアンスの観点からその予防に努めている。
今回、3社が開発したスケールダンプは、ダンプトラックのボディー前側に1カ所、後側に2カ所のロードセル(計量装置)を設置して、積載物の重量を表示することで、過積載を防ぎ、安全運行をサポートする。
機器の構成は、キャブ内に置かれた操作スイッチ/表示計、ボディー上の外部表示計、シャシ周りに置かれたパワーユニット、ボディー前後3カ所のロードセルなどから成る。なお、ボディー前側のロードセルは専用のシリンダ部に備えられ、計測時にはシリンダを伸ばして測定する。
積載物の重量は、キャブ内と外側の2つの表示計でデジタル表示される。これにより、ドライバーと積込作業員が同時に目視で確認することができ、適切な定積載作業につながる。また、時速5〜8キロ程度の低速走行時の簡易計測にも対応しているため、ロードカッターによる積み込みを続けながら計測することも可能だ。
スケールダンプ導入のメリットについて3社は、「定積債を守りながら、車両の積載能力を最大限発揮し、安全で効率的なオペレーションが実現する。車両の稼働率を向上させ、余剰となっている運行台数を削減することも見込める」と説明する。
スケールダンプは、2019年夏をめどに市場投入を目指し、現時点で年間300台の販売目標を掲げている。なお、スケールダンプのシステムは、新車だけではなく、既存車両への後付けにも対応していくという。
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