戸田建設、キャリアサポートセンター開設で事業者・技能者登録を支援:建設キャリアアップシステム
戸田建設は2019年6月から本社ビル内にキャリアサポートセンターを開設し、協力会社の事業者・技能者ID取得を支援する。これに関連して、事業者・技能者登録の登録率の向上に向けたさまざまな施策を展開していく。
戸田建設は、協力会社の事業者・技能者ID取得を支援するため、2019年6月3日から本社ビル内に「キャリアサポートセンター」を開設する。これは建設キャリアアップシステムの本格運用に伴った取り組み。当面は戸田建設の協力会である利友会の会員(1522社)と、その下請け協力会社について「事業者・技能者登録」を支援する。
事業者・技能者登録の登録率向上に向けた施策を展開
センターの運営は外部のグリーンサイトやキャリアアップ登録専門会社と委託契約を結び、戸田建設の担当部署と連携して行う。事業者・技能者登録に関する質問の受け付け、指導、研修会開催などを実施するとともに、代行登録についても受託するなど、登録率の向上に向けた施策を展開していく。
「建設キャリアアップシステム」は建設業振興基金が運営主体となり、建設技能者の社会的地位向上とモチベーションアップ、さらには担い手確保を目的として2018年5月から事業者・技能者登録を開始。2019年4月から本格運用を始めたが、事業者登録・技能者登録ともに順調ではないという。
戸田建設が2019年1月に、全国の常時発注している1次協力会社3565社に対して行ったキャリアアップ事業者・技能者登録に関するアンケート調査によれば、1次協力会社では、事業者登録の申請中と登録完了合わせて52%であったのに対し、2次以下の協力会社(約14万社)では6%にとどまった。また、技能者登録についても申請中およびキャリアアップカード受領を合わせて全体で5%という結果だった。
2回目の2019年4月のアンケート調査では、1次協力会社3565社(協力会1522社)で、事業者登録の申請中と登録完了合わせて68%(協力会74%)に対し、2次以下の協力会社(約14万社)では14%(協力会の2次以下は18%)となった。また、技能者登録は申請中とキャリアアップカード受領を合わせて、1次協力会社が30%、2次以下の協力会社は13%で、数字的には前回調査よりも3割程度伸長したが、システム普及のためにはより多くの登録者が求められる。
今回のサポートセンター設置を機に、戸田建設では、協力会社との連携を一段と深め、特に協力会(利友会)会員とその協力会社(2次以下)に対する支援に重心を置くことで、登録率の向上に取り組んでいく考えだ。
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