大和ハウスの関西初レンタルラボが神戸に開設、壁面太陽光や交流施設を整備:プロジェクト
神戸医療産業都市に、関西初となる大和ハウス工業のレンタルラボ「DP-Lab KOBE」が竣工した。創薬やバイオテクノロジーの研究開発に向けたウェットラボ仕様で、スタートアップから大企業まで対応し、壁面太陽光発電や交流スペースも備える。
大和ハウス工業は2026年10月19日、神戸市中央区の神戸医療産業都市で開発を進めてきたレンタルラボ「DP-Lab KOBE(ディーピーラボコウベ)」の竣工式を行った。建物は同年8月31日に竣工し、大和ハウス工業にとって関西初のレンタルラボ施設となる。
供給不足が続く、神戸医療産業都市のウェットラボニーズに対応
神戸医療産業都市は、先端医療技術の研究開発から事業化までを推進する日本最大のバイオメディカルクラスターで、医療関連企業や研究機関などが集積している。本地域は研究パートナーとの協力や人材確保などが容易で、研究から臨床、事業化までを円滑に完結できることから、ベンチャー企業や大手企業、大学など幅広い研究主体の進出が続いている。
その一方で、進出企業が研究施設を開発するには、専用の実験設備や危険物保管庫などに多額の初期投資を要するため、必要な建物設備を備えたレンタルラボの需要が高まっている。中でも、水や薬品を用いて物理/化学/生物学的な実験や分析を行う「ウェットラボ」の入居率は高い水準を維持しており、供給不足が課題となっていた。
そこで大和ハウス工業は、神戸医療産業都市の研究開発拠点ニーズの高まりに対応するため、企業の進出規模に応じた研究環境を提供できるレンタルラボ施設のDP-Lab KOBEを開発した。
スタートアップから大企業まで対応可能なウェットラボ仕様】
新施設は、鉄骨造地上6階建て、延べ床面積9144.42平方メートル。施主と設計は大和ハウス工業で、施工は淺沼組が手掛け、2025年5月28日に着工し、2026年8月31日に完成した。賃貸面積は5501.64平方メートルで、企業や研究機関が実験室を賃借して利用できるウェットラボ仕様とした。実験排水処理設備や危険物保管庫などを備え、安全管理レベルを示す「BSL2」、拡散防止措置のレベルを示す「P2」の実験に対応可能な仕様としている。
施設内には2棟の危険物庫(計6.88平方メートル)を設置し、研究開発で使用する各種試薬などの適切な保管に対応する。これにより、入居企業の安全な研究環境の確保と円滑な研究活動を支援する。
また、スタートアップから成長企業、大企業まで幅広いニーズに対応するため、研究区画は最大14室を設け、約98平方メートルの小規模区画からワンフロア利用も可能な最大1040平方メートルを用意した。重量の重い研究機器の設置にも対応できるように、床荷重は1平方メートル当たり1トンを確保した。
さらに、神戸新交通ポートライナー「計算科学センター駅」と連絡デッキで直結しており、研究者や企業関係者の利便性に配慮したアクセス環境を整備している。
メカニカルバルコニーの採用と壁面太陽光発電の導入
設備面では、空調や給排水などの配管や設備機器を屋外に集約する「メカニカルバルコニー」を採用した。入居テナントごとの設備変更に対応しやすく、ラボ内部の有効面積を確保できる。また、室内を通らずに外部から直接配管や設備の点検や搬入出を行える他、緊急時の避難経路として活用できる。
さらに環境に配慮した施設として、壁面太陽光発電設備を導入した。研究施設の屋上には実験設備などが配置されるため、149キロワットの太陽光パネルを壁面に設置し、発電した電力を自家消費するとともに、非化石証書による再生可能エネルギーも使用する。
施設内には、入居企業同士だけでなく周辺の研究機関や外部関係者との交流も促すため、交流スペース(約21席、約240平方メートル)、コワーキングスペース、貸会議室を設置した。日常的な打ち合わせや情報交換の場を設けることでコミュニケーションを促し、研究開発活動の活性化につなげる。利便性向上のため、2027年度中には無人コンビニの設置も予定している。
近年、創薬力強化やバイオものづくりの推進を背景に、研究施設の需要は高まっている。大和ハウス工業は、これまで神奈川県や福岡県などでレンタルラボを開設してきたが、関西では本施設が初の展開となる。
今後も持続可能な街づくりに貢献するため、地域社会のニーズに対応する研究施設を供給していく方針だ。
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