リコーが360度カメラ「THETA A1」を単体販売、施工管理アプリと連携容易に:デジタルツイン
リコーは、現場向け360度カメラ「RICOH360 THETA A1」の単体販売を2026年11月17日に開始する。従来はクラウドサービスとのセット販売だったが、単体での購入が可能になり、施工管理アプリとの連携や現場データ化のスモールスタートが容易になる。
リコーは、建設やインフラ点検などの現場向け360度カメラ「RICOH360 THETA(シータ) A1(以下、THETA A1)」をカメラ単体での販売を2026年11月17日に開始する。最初はECサイトのみ、その後は販売店を通じて順次展開し、海外市場でも各地域の販売店で順次発売する。
カメラ単体でも購入可能に、既存システムとの連携やスモールスタートが実現
これまでリコーは、THETA A1を「RICOH360」のクラウドサービスやサポートと組み合わせたパッケージで提供してきた。しかし、ユーザーの業務環境や購買方法が多様化する中、カメラ単体での導入ニーズが高まっていた。今回の単体販売により、企業や組織だけでなく、業務で360度カメラを活用する個人事業主なども、自らの環境に合わせて柔軟に機器を導入できる。
単体で導入できる最大のメリットは、ユーザー企業が既に運用している既存の施工管理アプリや点検アプリ、自社システムと自由に組み合わせて活用できる点にある。現場の業務フローを変えることなく、空間全体を一度に記録できる360度画像を日々の記録や報告業務に組み込める。
または、必要に応じて後から無償のクラウドアプリや有償サポートパッケージを追加し、段階的にシステムを拡張することも可能だ。
THETA A1は、現場の過酷な環境に耐える高い堅牢性を有する。THETAシリーズで初めて「IP64」に準拠した防塵/防滴性能を備える。IP64は、粉塵が内部に侵入せず、あらゆる方向からの水の飛沫を受けても有害な影響が出ないレベルの保護等級。小雨や水しぶき、粉塵が舞う現場でも、カメラを保護するための専用ケースなどを装着せずに周囲360度を撮影できる。
熱によるシステム停止(熱暴走)も防ぐ。夏場の屋外工事やコンクリート打設の監視などでは、カメラ本体が高温になり、撮影が停止するトラブルが起きかねない。その点THETA A1は、最大40度環境下でも給電しながら、長時間の安定した連続撮影や記録を実現する。
現場での操作性でも、必要十分なサイズの液晶パネルを搭載。自動ノイズリダクション機能により、カメラのオート設定のままでも照度に応じた安定した画質で記録できる。撮影に不慣れな担当者でも品質のばらつきを出さずに扱える。
また、撮影データをそのまま業務に直結させる仕組みも備える。カメラ内部で画像のつなぎ合わせや傾き補正を自動で処理し、静止画はJPEG、動画はMP4の標準フォーマットで保存する。専用ソフトウェアを介してPCで変換処理を行う手間を省き、すぐに画像を共有できる。GPSと電子コンパスを内蔵しているため、撮影場所の位置情報も正確に記録する。
リコーは単体販売の開始を通じて、建設現場やプラント、物流など幅広い業界における情報共有を円滑化し、社会インフラを支える企業の現場DXを後押ししていく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
ゼネコンの施工現場で34万枚超のデータを1年で蓄積、360度記録ツール「TwinMaker」
建設現場を360度の写真で記録するLIFE STYLEの「TwinMaker」が、提供開始から1周年を迎えた。ゼネコンの施工現場で導入が進んでおり、蓄積したデータは360度写真換算で約34万枚分を超えたという。
リコー、日比谷総合設備に360度画像のクラウドサービス導入
リコーは、日比谷総合設備に360度画像の建設業向けクラウドサービス「RICOH360 Projects(リコーサンロクマル プロジェクツ)」の全社導入を行った。
xR:石神井川工事に採用、竹中土木も導入した「作る前に直す」リコーの設計検討VRサービス
建設業界でもVRやARなどのxRサービスが安全教育や内見、設計レビューなどで活用が進む中、リコージャパンはコスト増や工期延長に影響を与える「設計検討」にフォーカスしたVRサービスを提案する。BIM/CIMや点群をもとに生成したVR空間では、特許取得済みの独自インタフェースや音声入力、ツアー移動、VR酔い防止などの豊富な機能を備える。既に東急建設や竹中土木などが先行導入し、発注者含む関係者の情報共有や現場ライブ中継のVR監視などに活用した。
360度画像の「RICOH360」がスパイダープラスと協業、AI画像補正やBIM連携の機能強化
リコーは、360度カメラ「RICOH THETA」を中心とするプラットフォーム「RICOH360」と、現場管理アプリ「SPIDERPLUSS」とのさらなる機能強化を図る。
「RICOH THETA」による360°画像の制作受託、リコーが不動産業界向けに開始
リコーは、実写VRの制作・プロモーション支援を行うLIFE STYLEと業務提携し、クラウドサービス「THETA 360.biz」において、360°画像の制作受託サービスを開始すると発表した。
鹿島とリコーのVR空間を利用した“遠隔現場管理システム”に、360度カメラとライブ配信の機能追加
鹿島建設とリコーは、新潟県長岡市の大河津分水路工事に適用していたVRを活用した遠隔の現場管理システムに、360度カメラとライブストリーミングの機能を追加した。新機能により、複数人の関係者がいつでもどこからでも、遠隔立ち合い検査ができる環境が整った。
建設特化型の学習動画アプリがフルアップデート、「学び」を「習慣」に変える新機能
ネクストステージは、建築業界の教育の属人化や時間不足という根底課題に向き合う、業界特化型学習動画アプリ「ACRO5」の使いやすさを追及し、フルアップデートした。新機能では、「学び」を「習慣」に変えるメディア機能、自社専用カリキュラム構築を可能にするカスタマイズ機能を搭載した。
